研究課題
2007(平成19)年度萌芽ミッションプロジェクト 6
大面積長期観測プロットによるブナ科樹木の衰退と気候変動との関係
研究組織
代表者 | 安藤信 (フィールド科学教育研究センター) |
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共同研究者 | 杉山淳司 (生存圏研究所) 山中典和 (鳥取大学乾燥地研究センター) 馬場啓一 (生存圏研究所) 金子隆之 (農学研究科) |
研究概要
森林の動態など、極めて長期にわたるプロセスで成長し、大小様々な撹乱により更新や死亡に至る現象を正しく捉えるには、大規模で長期間の観察が必要である。京都大学では芦生研究林モンドリ谷集水域 16 ha を 1992 年に長期観測プロットとして設定し、5 年ごとに全立木の生死と直径成長を観測し続けている。既に 10 年間 3 回の全木測定が行われ、樹種毎の地形やサイズ別の成長速度や枯死率が精密に測定されている。これまでの観測の結果冷温帯の優占樹種であるブナのうち大径木のみで枯死する事例が見られる事が判明した。そこでこれが寿命によるものなのか、ブナの分布域境界あたる芦生の環境変化によるものかを判別する事を目的とする。今回の測定を行うことにより、5 年間の成長量が 3 回繰り返しで測定されることとなり、気候変動の植物側の応答がかつてない精密なレベルで計測する事ができる。また気候変動とブナの年輪解析や水分通導系に関わる細胞レベルでの解析を通して、枯死が期待される個体を調べ、枯死要因を解明することで、より高精度に森林動態のメカニズムを理解することが期待される。
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2007年8月31日作成