研究課題
2007(平成19)年度萌芽ミッションプロジェクト 2
ベクトル磁場勾配簡易測定装置の開発と生存圏変動研究への応用
研究組織
代表者 | 家森俊彦 (理学研究科) |
---|---|
共同研究者 | 津田敏隆 (生存圏研究所) 橋爪道郎 (チュラロンコーン大学・理学部) Kamduang, Weerapong (チュラロンコーン大学・理学部) |
研究概要
千年以上にわたり、磁気コンパスは人間の生活に様々な役割を果たしてきた。タイ国内に多数存在するクメール時代の寺院遺跡には、地理的北から 10 度あるいは 20 度近く西に傾いているものがいくつもあり、寺院の建設にコンパスが用いられた可能性がある。もしそうであれば、長いクメール時代の地磁気偏角変動の情報が取り出せる。
しかし、文書としてコンパスを使ったという記録が残っている可能性は低いため、窯蹟などに残された残留磁化測定からその推測を確認する必要がある。そこで、窯蹟を壊さずに簡易に残留磁化を測定する装置を考案し、ハードウェアを試作した。これは、向きを自由に変えることのできる回転板の上にフラックスゲート型磁気センサー 2 個を直列に、他の 1 個は直列の軸に垂直に並べ、磁場の勾配と向きの分布を測定するものである。当研究では、ノート型 PC にデータを収録し、窯蹟の形状からモデル計算される残留磁化と、実測された磁気勾配の比較から、当時の地磁気の方向を求めるソフトウェアの開発、および東南アジアの地磁気長期変動の推定を目標とする。
ページ先頭へもどる
2007年8月31日作成