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2007(平成19) 年度 生存圏科学 萌芽研究 1

更新日: 2017/09/22

研究課題

2007(平成19)年度萌芽ミッションプロジェクト 1
マイクロ波散乱計測による水田の土壌水分推定モデル構築と合成開口レーダ画像からの広域土壌水分推定

研究組織

 代表者 須﨑純一 (地球環境学堂)
 共同研究者 津田敏隆 (生存圏研究所)
中村卓司 (生存圏研究所)

研究概要

インドシナ半島では周期的に洪水・旱魃が頻発し、災害発生の前後を通じて定期的に監視し、被害を軽減する技術の確立が求められている。現在、広域を定常的に監視し水資源分布を推定するには、人工衛星に搭載された受動式マイクロ波センサが活用されている。しかしながら空間分解能は数十 km 程度と不十分なため、申請者は数十 m 程度の空間分解能の能動的マイクロ波センサである合成開口レーダ(SAR)に着目してきた。

マイクロ波は地表面や土壌中の水分に鋭敏に反応し、裸地面を対象にした土壌水分モデルがこれまでに提唱されてきた。しかし、例えば水田の土層の水分を推定する場合、イネに含まれる水分が与える散乱の影響を波長によってどの程度無視できるか定かではないこと、また湛水時にはマイクロ波の散乱が全く異なることなどの理由により、裸地面モデルでは推定精度が高くないことが、申請者のこれまでの研究を通じて確認されてきた。元来、マイクロ波散乱計を用いた地上計測ならびにシミュレーションを通じた散乱現象の再現例は極めて少ない。特に湛水時の水田のように、植生と水の層で覆われた地表面に対するマイクロ波の散乱が定量的に把握されていない。

そのため本研究では、マイクロ波の地表面散乱を左右する要因を制御して基礎データを収集し、電磁波シミュレーションを通じて、特定の周波数や地表面粗度における土壌水分推定のためのマイクロ波散乱モデルを確立する。さらにこのマイクロ波散乱モデルを用いて、SAR 画像から土壌水分を推定し、地上計測データと比較し検証を行う。特に湛水・非湛水状態の水田における土壌水分の推定精度を向上させる。

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2007年8月31日作成

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