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2005(平成17) 年度 生存圏科学 萌芽研究 5

更新日: 2017/09/22

研究課題

2005(平成17)年度萌芽ミッションプロジェクト 5
アカシア人工林における気象環境に関する調査研究 —広域の雨量の時空間分布

研究組織

 代表者 林泰一 (京都大学防災研究所)
 共同研究者 塩谷雅人 (生存圏研究所)
中村卓司 (生存圏研究所)

研究概要

一斉植林森林の大気との相互作用、大規模人工林の生態と気象・大気環境の相互作用を明らかにすることを目的として、気象観測を開始した。対象地域は,インドネシアのスマトラ島の南西部の MHP 社林地内のアカシア人工林である。19万 ha の広大な森林内の気象要素の空間分布、特に降水の広域の時空間分布を観測することによって、森林内の樹木の成長などの生態に、気象現象がどのように関わっているのか、また、逆に広大な森林の存在が気象現象に関係するのかを明らかにすることが、この研究の目的である。2004、2005 年度に、自動気象観測装置を 4 カ所、転倒ます雨量計を 4 カ所に設置し、気象要素の連続観測を開始した。現在のところ、まだ十分に観測データを入手できていないが、2 週間程度の観測期間においても,観測場所によって,2 倍程度の降水量の違いがあることがわかった。その違いが,ある特定の日の特定の短時間の豪雨時の降水量の違いに起因することがわかった。気象観測網による観測を数年程度継続して、日変化、季節変化、年変化など時間スケールによる降水の違いを明らかにしていく。同時に観測点を拡充整備し、空間的な分布を明らかにする。これらの気象データと、森林内の樹木の成長との関係を調べることにより、森林の生態と気象現象の間の、多様な時空間スケールにわたる関係を明らかにすることが期待できる。さらに、将来的には、森林内外の風速、気温、湿度、二酸化炭素などの乱流変動を測定することによって、大規模人工林と大気の間のエネルギーおよび物質輸送を評価できれば、より詳細な森林大気相互作用や大気乱流の振る舞いを明らかにできる。

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