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令和3(2021)年度京都大学生存圏研究所「ミッション専攻研究員」の公募

更新日: 2020/12/10

京都大学生存圏研究所では、下記の要領にしたがって、ミッション専攻研究員を公募します。

本研究所は、生存圏科学の共同利用・共同研究拠点として、人類の生存に必要な領域と空間、すなわち人間生活圏、森林圏、大気圏、および宇宙圏を「生存圏」としてグローバルにとらえ、その「科学的診断と技術的治療」に関する革新的学際領域の開拓と発展を図ることを目指しています。

ミッション専攻研究員とは、研究所の学際萌芽研究センターに所属し、生存圏科学の創成を目指した5つのミッションに係わる萌芽・融合的な研究プロジェクトに取り組む若手研究者のことです。

生存圏研究所では、平成28年度からの第三期中期計画・中期目標期間の開始に合わせて、ミッションの再定義を行いました。以下、人間生活圏から森林圏、大気圏、宇宙圏に至る4圏を融合させた生存圏学際新領域開拓のための5つのミッションについて記します。

ミッション1: 環境診断・循環機能制御

地球温暖化や極端な気象現象の増加などの環境変動の将来を予測するには、大型の大気観測レーダーや衛星などで現状の大気環境を精密に測定し、診断する必要があります。また、生物圏から大気圏にわたる物質輸送・交換プロセスのメカニズムを解明することも求められます。さらに、資源生産・物質循環に関わる植物・微生物群の機能の解析と制御を通じて、化石資源によらない再生可能植物バイオマス資源・有用物質の持続的な生産利用システムの構築をめざします。ミッション1では、物質循環の観点から生存圏全体を俯瞰するよう、あつかう領域を土壌圏にまで拡げています。

ミッション2: 太陽エネルギー変換・高度利用

ミッション2では太陽エネルギーを変換して高度利用するために、マイクロ波応用工学やバイオテクノロジー、化学反応などを活用して、太陽エネルギーを直接に電気・電波エネルギーや熱などに変換する研究を進めます。さらに、光合成による炭素固定化物であるバイオマスを介して、高機能な物質・材料に変換して有効利用する研究にも取り組みます。とくに高機能物質への変換を重点化し、その要素技術だけでなく全体システムにも展開します。

ミッション3: 宇宙生存環境

人工衛星、宇宙ステーション、ロケット、地上レーダー、計算機シミュレーションなどをもちいて、宇宙圏・大気圏の理解のための研究を深化・融合させ、生活圏や森林圏との連接性の解明に取り組みます。さらに、太陽フレアを原因とする放射線帯や磁気嵐の変動などの理解を深めて、スペースデブリや地球に接近する小惑星などの宇宙由来の危機への対策を提案できるようにします。気象・測位・通信衛星などの宇宙インフラの維持・発展にも貢献することで、宇宙環境の持続的な利用という社会的要請に応えます。さらには、生存環境への影響が甚大である小惑星の地球との衝突の可能性にそなえて、地球衝突の前に小惑星の軌道の微修正する工学的対応にも取り組みます。ミッション3では、宇宙圏環境の理解と利用だけでなく、生存環境としての維持・改善、ひいては大気圏、森林圏、生活圏との連接性も重点化します。

ミッション4: 循環材料・環境共生システム

環境共生とバイオマテリアルの利活用を両立させるために、循環型生物資源のなかでも、とくに木質資源の持続的利用を進めます。そのために生存圏科学に由来するすべての技術を結集して生物本来の構造や機能を理解し、それらを最大限に引き出す多彩な機能性材料の創製、木質材料等を用いた安全・安心な建築技術を開発します。さらには、資源の供給源である生態系と、これを消費する人間活動との調和と発展の実現にむけて、樹木、植物、昆虫、微生物の管理・利用法を研究します。基礎・応用の両面から研究に取り組み、豊かな文化にもとづく環境未来型の生活圏のありかたを模索することで、森林環境の安定と保全をはかり、生活環境のさらなる向上を実現することを目的とします。木質資源を基盤に、自然との共存を継承・継続する技術、材料を開発するなど、「創造」を意識するミッションとして、いっそうの発展をめざします。

ミッション5: 高品位生存圏

人類の産業・経済活動の急速な拡大により、生存圏の特性に大きな変化が生じています。人の健康や安心・安全な生活を支える生存環境もおびやかされています。そこで、これまでのミッションの成果を基礎に、人の健康や環境の調和、脱化石資源社会の構築、生活情報のための宇宙インフラ構築とその維持、木の文化と木材文明による社会貢献などに取り組み、生存圏の質を向上させます。ミッション5は、生存研が平成27年度まで5年をかけて推進してきた課題設定型共同研究「生存圏科学の新領域開拓」の発展型と位置づけることができます。国内外のコミュニティと連携しつつ、生存研のミッション全体の成果をもとに、人をとりまく生存環境の向上をめざした課題解決型の研究を推進します。

詳しくは、生存圏研究所のホームページhttps://www.rish.kyoto-u.ac.jp/を参照ください。

京都大学生存圏研究所 ミッション専攻研究員の公募要領

募集人員

ミッション専攻研究員 若干名 (令和3年4月1日採用予定)

勤務場所

生存圏研究所 (京都大学 宇治キャンパス)

募集期間

令和2年12月10日(木)~令和3年1月14日(木) 17時00分 必着

応募資格

令和3年4月1日に博士の学位を有する方、または博士の学位取得が確実な方。
他に常勤の職等に就いていない方。
学生、研究生等でない方。

任期

令和3年4月1日~令和4年3月31日まで(任期は、原則として令和4年3月末日までですが、ポストが確保された場合、研究成果を審査の上、再任可能。最長2年。)

応募書類

※申請にあたっては、事前に所内受入教員と十分に相談してください。
(ア) 履歴書(顔写真貼付):氏名、生年月日、年齢、学歴、職歴、メールアドレス等
(イ) 専門分野、関連ミッション、提案プロジェクト名
(ウ) 研究業績リスト(原著論文、著書、特許、その他)および主要論文の別刷またはコピー3編以内
(エ) これまでの研究活動(2000字程度)
(オ) 研究の抱負(1000字程度)
(カ) 研究の計画(具体的に記入してください。4000字程度)
(キ) 応募者の研究、人物を照会できる方(2名)の氏名および連絡先
(ク) 生存研内での受入教員の氏名

応募書類の提出先

〒611-0011 京都府宇治市五ヶ庄  京都大学 生存圏研究所 担当事務室
(封筒の表に「ミッション専攻研究員応募書類在中」と朱書きし、郵送の場合は簡易書留にすること)

問い合わせ先

学際萌芽研究センター長  篠原 真毅  rish-center@rish.kyoto-u.ac.jp

待遇

(ア) 身分:時間雇用職員 (研究員)
(イ) 給与:時給1,900~3,900円 (本学支給基準に基づき支給)
(ウ) 勤務形態:週3~5日(土日、祝日、年末年始、創立記念日および夏季一斉休業日を除く)、 週20時間~30時間 (1日7時間45分まで) 勤務日数・勤務時間等、委細応相談
(エ) 社会保険:健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険に加入
(オ) 手当:本学支給基準により通勤手当を支給(その他、諸手当・賞与・退職手当等の支給はなし)

その他

提出いただいた書類は、採用審査にのみ使用します。
正当な理由なく第三者への開示、譲渡および貸与することは一切ありません。
応募された書類はお返ししませんので、予めご了承願います。

京都大学では、すべてのキャンパスにおいて、屋内での喫煙を禁止し、屋外では、 喫煙場所に指定された場所を除き、喫煙を禁止するなど、受動喫煙の防止を図っています。

以上

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2020年12月10日作成

〒 611-0011 京都府宇治市五ヶ庄
TEL: 0774-38-3346 FAX: 0774-38-3600
E-mail: webmaster@rish.kyoto-u.ac.jp