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第538回生存圏シンポジウム
第4回 福島県への支援取り組み及び放射線マッピング研究会

更新日: 2024/12/24

開催日時 2024/12/19(木曜日) - 2024/12/20(金曜日)
開催場所 京都リサーチパーク 4F G会議室およびオンライン
主催者 京都⼤学 ⽣存圏研究所 上⽥ 義勝, 杉⼭ 暁史 複合原⼦⼒科学研究所 ⾕垣 実
申請代表者 谷垣 実(京都大学 複合原子力科学研究所)
所内担当者 上田 義勝、杉山 暁史(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 生存圏科学、放射線工学、情報学、工学、植物科学、放射線計測学、社会学、土壌学

概要

生存圏研究所においては東日本大震災関連の研究報告を、生存圏シンポジウムとして2011年度から毎年開催している。今回も複合原子力科学研究所との共同で開催した。2021年度年度より、「福島県への支援取り組み及び放射線マッピング研究会」として名称を変更して通算13回開催を行ってきている。

目的と具体的な内容

2011年3月の東日本大震災をテーマとしたシンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」は、これまでに計13回開催され、延べ815名が参加している。今年度は京都リサーチパークを会場に、オンライン併催の形式で実施した。
 2018年度からは複合原子力科学研究所との共同開催を続けているが、2021年度より名称を「福島県への支援取り組み及び放射線マッピング研究会」に統一し、名称統一後では今回が4回目の開催である。今年度の新たな試みとして、愛知県立旭丘高校天文部によるスペースバルーンプロジェクトの講演が行われた。この講演は福島県での取り組みとは直接関係しないが、本シンポジウムでのソニーセミコンダクタソリューションズと京都女子大学名誉教授・水野先生の交流がきっかけで実現したものであり、継続的なシンポジウム開催の成果の一つである。
 さらに、震災という共通課題をテーマに、スリランカで活動する東京大学の土田氏による講演が行われ、今後の新たな研究活動についての提案があった。継続的な研究として、新潟大学、高知工科大学、福島大学による発表に加え、企業や研究機関からの講演もあり、多岐にわたる分野から知見が共有された。特に環境放射能計測器「KURAMA-II」に関しては、国内での多数の設置事例に加え、米国での共同研究事例の紹介があり、今後の展開について非常に興味深い内容が示された。また、会場では例年通り装置類のデモ展示が行われ、講演の合間にも活発な議論が繰り広げられた。
 今年度の参加者は84名に上り、アメリカやスリランカからのオンライン参加に加え、石川県、茨城県、福井県、青森県、北海道など広域からの参加があった。オンライン開催の利点を生かし、震災復興に関する議論の意義を改めて確認できる機会となった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生活圏を脅かす要因の一つとなりうる事故の中でも、原子力発電に関連するものは、放射性物質の拡散など、一般には情報が得にくい不安定な状況を生じやすい。これに対する対策として唯一の方法は、地道な研究 活動を積み重ねるとともに、一般への情報公開を徹底し、人類の生存圏における安心・安全な社会を構築することである。
 本研究集会では、福島県の現状と復旧・復興に向けた支援研究の取り組みを継続的に発表してきた。生存圏科学のコミュニティに対し、現地の正確な情報を伝えることに努めている。また、ここ数年では福島復興にとどまらず、日本全体における防災・減災をキーワードとした多様な分野からの発表が増えている。この結果、本研究集会は国際融合型・国際連携型の重要なシンポジウムとして開催されている。
 さらに、国内外への研究成果発表が行われていることからも、本研究集会を生存圏シンポジウムとして継続開催する意義はますます高まっている。

プログラム

12月19日

13:30-13:40 開会あいさつ ⾕垣実 京都⼤学
13:40-14:10 KURAMA/KURAMA-IIの開発と展開 ⾕垣実 京都⼤学
14:10-14:40 ダイズのCs吸収に関して ⼆瓶直登 新潟⼤学
14:40-15:10 ⾃動⾞⾛⾏サーベイシステム ASURA の調査結果などの紹2024 後藤淳 新潟⼤学
15:10-15:40 TBA TBA TBA
15:40-15:55 休憩
15:55-16:25 旭丘⾼校天⽂部によるスペースバルーンプロジェクト︓その成果と課題 ⼭⽥真寛ほか愛知県⽴旭丘⾼校天⽂部スペースバルーンプロジェクト(60名) 愛知県⽴旭丘⾼校
16:25-16:55 ⾼校⽣による成層圏気球実験で得られた⼤気上空の環境放射線データ ⽔野義之、愛知県⽴旭丘⾼校天⽂部ス ペースバルーンプロジェクト(60名) 東⽇本⼤震災・原⼦⼒災害伝承館、愛知県⽴旭丘⾼校
16:55-17:25 Sony Spresenseについて 早川知伸 ソニーセミコンダクターソリューションズ

12月20日

9:30-10:00      
10:00-10:30 福島県浜通り地⽅における農業研究の取り組み() 齋藤隆 福島県農業総合センター
10:30-11:00 ⽔⽥の⽥⾯⽔に降下したセシウムの⽔稲による吸収 藤村恵⼈ 農研機構東北農業研究センター
11:00-11:30 圃場内の⼟壌中放射性Cs濃度の空間変動 〜空間スケール・深度分布の検証〜 錦織達啓・藤村恵⼈・⼭⽥⼤吾・渋⾕岳・久保堅司・江⼝哲也 農研機構
11:30-12:00 セシウム濃度の深度分布評価(仮) 岡⽥将幸 ⾼知⼯科⼤学
12:00-13:15 休憩
13:15-13:45 KURAMAモニタリングポストの社会実装について 松浦隆弘 松浦電弘社
13:45-14:15 ガンマ線可視化カメラ開発の変遷と最新の動向 豊⽥亘博 豊⽥放射線研究所
14:15-14:45 TBA TBA TBA
14:45-15:00 休憩
15:00-15:30 TBA TBA TBA
15:30-16:00 災害復興の多重性︓スリランカと能登の災害と⽇常を重ねるフィールドワークの試み ⼟⽥ 亮 東京⼤学 ⼤学院総合⽂化研究科 超域⽂化科学専攻
16:00 閉会挨拶 上⽥義勝 京都⼤学

会場風景

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2024年3月25日作成/12月24日更新

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