概要
生存圏フォーラムは『持続的発展が可能な生存圏(Sustainable Humanosphere)を構築していくための基盤となる 「生存圏科学」を幅広く振興し、総合的な情報交換・研究者交流、 さらに学生・若手研究者の国内外での教育・啓発活動を促進していくこと』を目的としている。そのために第16回特別講演会および総会を開催し、その活動を促進する。
目的と具体的な内容
■特別講演会
生存圏フォーラムの会員を主な対象として、昨年度に発足した生存圏未来開拓研究センターの意義とセンターで実施されている最新の研究課題の紹介を目的として特別講演会を開催した。センターに所属する教員4名が、森林保全、木製文化財、大気圏・森林圏・土壌圏の相互作用、森林バイオマスによる持続可能な化学素材に関する最新の研究トピックについて紹介し、活発な議論が交わされた。
■総会
会長、副会長、運営委員の選任を行い、活動報告および次期の活動計画について承認をいただいた。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
生存圏未来開拓研究センターでは、共同利用・共同研究拠点における学際性や萌芽性を活かした新分野開拓を行い、広範な基礎的知見を提供し得る学際研究機能と実効的な社会連携機能を重視している。今回の特別講演会では、生存圏研究所内外にわたる様々な融合研究が紹介され、生存圏科学の幅広さを周知することができたと考えられる。
プログラム
■特別講演会 | |
14:30-14:35 | 開会の辞 片山健至(香川大学名誉教授・生存圏フォーラム副会長) |
14:35-15:15 | 「タンザニアと世界を繋ぐ地域共創の森林保全モデルの社会実装に向けて」 仲井一志(生存圏未来開拓研究センター・副センター長、特定准教授 ヤマハ 株式会社 楽器・音響生産本部 おとの森プロジェクト) |
楽器には、多くの希少木材を使います。タンザニアを代表する木材種アフリカン・ブラックウッドは、木管楽器の管体として世界的に使われています。木材として特異な特性を持つだけでなく、原産地域の経済資源として重要な本木材種を対象とした森林保全モデルの実証研究から、地域共創の森林利用を展望します。 | |
15:15-15:55 | 「材鑑標本・木製文化財から読み解く過去、そして未来への展望」 田鶴 寿弥子(マテリアルバイオロジー分野、木材科学文理融合ユニット・講師) |
人間は、どのように木と向き合い、繋がり、支えられてきたのでしょうか。人間の営みの礎を支えてきたといっても過言ではない木。歴史を今に伝える木製文化財の科学調査を通して見えてきた古代の用材選択や信仰など、木のかけらが教えてくれる人間と木との関係の一端をご紹介します。 | |
16:10-16:50 | 「大気圏・森林圏・土壌圏の相互作用の理解と展望」 杉山暁史(森林圏遺伝子統御分野、大気圏森林圏相互作用ユニット・准教授) |
大気圏・森林圏・土壌圏の相互作用を理解するとともに、その機能の有効に活用することは、持続可能な社会の構築を目指すうえで重要です。本講演では、生存圏の様々な領域で生物間相互作用を媒介する代謝物(シグナル分子)に着目し、最先端の分析機器を活用することで明らかにされた代謝物について紹介します。 | |
16:50-17:30 | 「森林バイオマスの天然分子を活かした持続可能な化学素材へ」 西村裕志(バイオマス変換分野、バイオマスプロダクトツリー産学共同研究ユニット・特定准教授) |
森林をはじめとした植物バイオマスの有効利用は、持続可能な資源・エネルギー源としてだけではなく、生態系と調和した循環型産業への転換として大きな波及効果があります。木質バイオマスを構成するリグニンやセルロースといった天然分子の潜在力を活かし、新しい化学素材を創る技術開発と展望について紹介します。 | |
17:30 | 閉会の辞 |
■総会 | |
13:00 – 13:30 | 1. 生存圏研究所長による研究所活動紹介 |
2. 会長挨拶 | |
3. 議長選任 | |
4. 報告事項 | |
5. 議題 ・役員及び運営委員改選 ・事業計画 |
ポスター PDF ファイル (1,501,716 バイト) | チラシ PDF ファイル (619,635 バイト) |
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2023年4月5日作成/2024年3月6日更新