関連ミッション:1. 環境診断・循環機能制御
関連分野:静電プラズマ、ナノバブル、ウルトラファインバブル、マイクロバブル。
後援:岩手大学
概要
高電圧、プラズマを用いた産業への応用研究は世界的にみても非常に注目されており、またマイクロメートル以下の微細気泡研究についても、過去の生存圏シンポ(第325回、413回、435回、449回など)などで開催している様に、新しい研究テーマとして定着してきている。申請者らのグループは、高電圧・プラズマ・微細気泡それぞれの基礎原理と共に、相互作用や相乗効果についての研究について幅広い議論を行うため、2022年度も生存圏シンポを継続して開催、より活発な研究集会を開催した。
目的と具体的な内容
静電気学会に設置されている東北、関西、九州の3支部が合同で研究会を実施することで、各地域間の交流を深め支部活動の活性化につなげることを目的としている。また、プラズマと気泡の研究について取り組む生存圏シンポジウムと合同で行うことで、お互いに研究領域の幅を広げ交流を深めたい。本研究会では、関連する各方面の研究者を招聘し招待講演を実施するとともに、意見交換会や参加者の自由発表などの機会を提供し、参加者の研究活動の発展を支援する。
第482回生存圏シンポジウムでは、合計14件の講演があり、うち3件がオンラインでの講演であった。生存圏として講演を依頼した2件の他、静電気学会各支部からの講演があり、分野としても工学、農学、生命科学まで、幅広い講演があった。特に近年ではプラズマやバブルによる殺菌技術に注目が集まっており、食品殺菌や細胞応答、またアニサキスなどのパルスパワー殺菌など、非常に興味深い講演発表があり、活発な質疑応答があった。生存圏研究所からは、中でも特に微生物を活用し、マイクロプラスチック分解に利用するための講演を渡邊崇人助教が行い、他の講演とは違った新しいプラズマ・気泡の活用の可能性を示唆する重要な講演をしていただいた。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
水と大気、各種気体を用いた高電圧、プラズマ、微細気泡の研究は、生存圏においては基礎・応用として利用できる分野が数多くある。また、プラズマ・ナノバブル応用利用の対象の一つに農林水産業がある。生活圏の重要な産業の一つである農林水産業は、国家の枠を超え、人類の地球上での持続可能な自給自足を実現することに直結する。また、申請代表と生存圏所内担当者は、継続して生存圏シンポジウム開催しており、東北・九州・関東・関西と、ほぼ日本全国にまたがる研究者ネットワークを強化しつつある。
プログラム
10月28日(金)
【講演1】 司会:高木浩一(岩手大学) |
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13:00–13:10 | 開会挨拶(大嶋会長、佐藤支部長、上田生存圏シンポ代表) |
13:10–13:35 | 大嶋孝之(群馬大学・教授) 「高電圧パルスによる食品殺菌と加工への可能性」 |
13:35–14:00 | 竹内希(東京工業大学・准教授) 「高周波液中プラズマの生成とその材料応用」 |
14:00–14:25 | 清家善之(愛知工業大学・教授) 「半導体デバイスの物理洗浄の現状と静電気障害対策」 |
14:25–14:40 | 休憩 |
【講演2】 司会:浦島邦子(科学技術・学術政策研究所、岩手大学) |
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14:40–15:05 | 奥山由(苫小牧高専・教授) 「大気圧イオン移動度測定によるクラスターイオンの検討」 |
15:05–15:30 | 南谷靖史(山形大学・教授) 「パルス電界と放電と活性種と細胞死」 |
15:30–15:55 | 佐藤岳彦(東北大学・教授) 「プラズマを模擬したナノ秒パルス電流刺激による細胞応答」 |
15:55–16:10 | 休憩 |
【講演3】 司会: 上田義勝(京都大学) |
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16:10–16:35 | 吉川潔(京都大学・名誉教授) #オンライン 「ASEAN諸国の農業・漁業の発展に関する我が国の貢献」 |
16:35–17:00 | 渡邊崇人(京都大学生存圏研究所・助教) 「生存圏科学における環境汚染物質分解細菌の有効利用 —廃プラスチック類分解のための模索—」 |
18:00–20:00 | 情報交換会 司会:高橋克幸(岩手大学) |
10月29日(土)
【講演4】 司会:大久保先生もしくは現地参加の関係者(関西支部) |
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09:25–09:50 | 北野勝久(大阪大学・准教授) 「プラズマバイオプロセスにおける生体内分子に対する化学修飾」 |
09:50–10:25 | 松坂修二(京都大学・教授) #オンライン参加 「プラズマによる粉体の荷電」 |
10:25–10:40 | 休憩 |
【講演5】 司会:金澤先生もしくは現地参加の関係者(九州支部) |
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10:40–11:05 | 川崎敏之(西日本工業大学・教授) 「プラズマ由来の駆動力を利用した液体流の制御について」 |
11:05–11:30 | 高村紀充(福岡大学・助教) #オンライン参加 「液体電気絶縁材料への窒素ファインバブルの適用」 |
11:30–11:55 | 浪平隆男(熊本大学・教授) 「パルスパワーによるアニサキスリスクフリー刺身の実現」 |
11:55–12:00 | 閉会挨拶(九州支部代表、関西支部代表) |
支部・生存圏シンポジウム合同意見交換会(支部・生存圏・静電気学会関係者のみ) 司会:佐藤岳彦(東北大学)、南谷靖史(山形大学) |
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12:00–12:30 | 自由発表、今後の活動(次年度の全国大会の意見交換)についてなど |
12:30–13:00 | 研究室見学(希望者のみ) |
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2022年9月12日作成,2022年11月4日更新