目的と具体的な内容
■特別講演会
遠くない将来、宇宙空間も人間の生活の場になることが次第に現実味を帯びてきており、生存圏として宇宙空間を含めた「生存圏科学」のコンセプトに時代が追い付いてきた。そのような背景で、なお一層真剣に宇宙空間を生活空間にするための研究に注目が集まると考えられる。そこで本研究集会では、宇宙太陽光発電、宇宙(微小重力)環境における材料合成、月面の環境、宇宙空間における人の健康に関する講演をいただいた。
■総会
会長、副会長、運営委員の選任を行い、活動報告および時期の活動計画について承認をいただいた。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
「宇宙空間を生活の場としてみる」という共通項は持ちつつ、一つの学会では同時に拝聴することがあり得ない講演の組み合わせとなった。このように軸を持ちつつ多分野を混合することで新たな考え方を醸成でき、また一般的には隔たりのある分野間で人的交流と情報交換を行うことができた。これらにより、生存圏科学という考え方の重要性を認識してもらえる層をじわじわ広げる機会となった。
プログラム
14:30–14:40 | 林知行先生(秋田県立大学名誉教授・生存圏フォーラム会長)挨拶 五十嵐圭日子先生(東京大学教授・宇宙連携拠点形成プログラム「バイオ有機素材の宇宙リサイクルシステム開発」代表)挨拶 |
14:40–15:20 | 田中孝治先生(JAXA宇宙科学研究所) 「宇宙太陽発電 —持続可能なエネルギーシステムの開発—」 太陽から地球へは、人類が1年間で消費する一次エネルギーを1時間程度でまかなうくらいの莫大なエネルギーが届いています。宇宙環境をエネルギー取得の場として利用することで、太陽光をより有効に活用することが期待できます。本講演では、太陽発電衛星に関して、国内外の研究開発の動向と将来展望に関して紹介します。 |
15:20–16:00 | 三宅洋平先生(神戸大学大学院システム情報学研究科) 「人類の活動の場としての月面環境 ~月ダストに関わる学理を中心に~」 現代の科学技術の粋を結集することにより国際月面探査計画が今まさに進められています.月で持続的な開発を行うには,人類活動との相互干渉の観点から月面環境を捉えなおす必要があります.本講演では月面環境全般の現状の理解を整理した上で,将来の月面探査・開発の障壁となりうる月ダスト環境の理解に向けた取り組みを紹介します. |
16:00–16:10 | 休憩 |
16:10–16:50 | 砂川直輝先生(東京大学大学院農学生命科学研究科) 「酵素を用いた宇宙空間でのセルロース合成」 宇宙空間において長期の人類活動を実現する為には、地球外で必要な製品を製造・加工し、また使用後の材料を有効にリサイクルする技術の確立が必要不可欠である。また宇宙という特殊環境で得られた知見は、既存の地球上での技術に対しても様々な影響を与える可能性がある。本講演では先に行われた宇宙空間でのセルロース合成実験の結果を交えて、現在取り組んでいる宇宙連携拠点形成プログラムの取り組みを紹介します。 |
16:50–17:30 | 寺田昌弘先生(京都大学宇宙総合学研究ユニット) 「宇宙環境下での人への影響~宇宙医学とは?」 宇宙飛行士だけでなく民間人が宇宙に滞在する機会も増えています。宇宙滞在は地上とは異なり、微小重力・宇宙放射線・閉鎖環境といった特殊な環境下で生活することになります。本講演では宇宙環境における人への影響についてご紹介いたします。 |
17:30 |
閉会の挨拶 山中大学先生(神戸大学名誉教授・生存圏フォーラム副会長) |
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2022年8月18日作成,2023年4月27日更新