概要
生存圏研究所では共同利用・共同研究拠点として、データベースの構築と発信を核としたデータベース共同利用を国内外の研究者との協力のもとで推進している。
今回のシンポジウムでは、2019・2020(令和元・2)年度の共同利用申請者による研究成果の発表を行い、それぞれの研究者間での意見交換などを行った。
なおこれまで生存圏データベースを用いた共同研究の成果報告会は,おもに材鑑調査室を利用した共同研究のポスター発表を中心におこなわれてきたが、今回はzoomを用いての口頭での成果発表となった。
目的と具体的な内容
生存圏データベースは材鑑調査室の保有するモノのデータとインターネットを通して公開されている電子データからなっており、それらのデータを用いた共同利用研究を推進している。
今回のシンポジウムでは、「第466回生存圏シンポジウム 木の文化と科学20」と連携を取る形で開催し、発表者による研究発表を行うとともに、より多様な生存圏データベースの共同利用研究が推進されるように、様々な情報発信なども行った。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
生存圏研究所では共同利用・共同研究拠点として、データベース利用型の共同研究を推進している。これらの研究成果にもとづいて蓄積されたデータの集大成としての生存圏データベースは、材鑑調査室が収集する木質標本データと生存圏に関するさまざまな電子データとがある。これらの蓄積されたデータベースは、様々な研究活動の起点としても機能している。
またこれまで行われてきた成果報告会では、データベース利用型の共同研究だけではなく、日本国内にある材鑑調査室およびそれに類する研究施設を所蔵している大学との間でのネットワーク構築にも一定の貢献があり、各研究機関との交流や議論なども活発に行われている。
新体制になってから初めておこなわれた今回の研究成果報告会では,新しい時代に向けた多様なデータの融合とその社会還元について考えた。
プログラム
木材の標本・プレパラート・組織画像コレクションの拡充 佐野雄三(北海道大学・大学院農学研究院) |
Wood Identification of a Group of Shinto Sculptures from the Izumo District Mechtild Mertz (East Asian Civilisations Research Centre CRCAO-CNRS, Paris, France) |
東アジア由来木彫像における用材観の解明と文化考 田鶴寿弥子(京都大学・生存圏研究所) |
樹種識別標本のデータベース構築 反町始(京都大学・生存圏研究所) |
赤外分光分析による細胞壁構成多糖の多様性に関する研究 堀川祥生(東京農工大学・大学院農学研究院) |
ディープラーニングを用いた木材組織の画像認識 小林加代子(京都大学・大学院農学研究科) |
針葉樹光学顕微鏡デジタルデータベース作成とその応用 杉山淳司(京都大学・大学院農学研究科森林科学専攻) |
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2021年12月9日作成,2022年4月14日更新