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第441回生存圏シンポジウム
生存圏ミッションシンポジウム

更新日: 2021/03/09

開催日時 2021(令和3)年3月2日(火)10:00~3日(水)12:00
開催場所 オンライン開催
主催者 京都大学生存圏研究所
申請代表者 篠原真毅 (京都大学生存圏研究所生存圏電波応用分野)
吉村剛 (京都大学生存圏研究所居住圏環境共生分野)
所内担当者 梅澤俊明 (京都大学生存圏研究所森林代謝機能化学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用
ミッション3 宇宙生存環境
ミッション4 循環材料・環境共生システム
ミッション5 高品位生存圏
関連分野 生存圏研究所のカバーする全専門分野。

概要

本シンポジウムは、生存圏研究所の研究活動の総括として位置づけられている毎年年度末に開催する重要なシンポジウムである。今年度も共同利用・共同研究拠点活動、共同研究等の紹介や成果報告を行い、また、生存圏フォーラムの総会の開催及びポスターセッションも実施した。多くの活動や成果報告を交えて総合的な議論等を行い、生存圏科学の発展や関連コミュニティへの形成に貢献できた。

目的と具体的な内容

生存圏学際萌芽研究センターは、生存圏研究所の 5 つのミッションにかかわる萌芽・学際的な研究を発掘・推進し、中核研究部及び開放型研究推進部と密接に連携して新たな研究領域の開拓をめざしている。その一環として、今年度の生存圏研究所の活動を総括するとともに、今後の活動指針を討議する目的で本シンポジウムを企画・運営した。

具体的には、開放型研究推進部が推進する「共同利用・共同研究拠点活動」、生存圏学際萌芽研究センターが支援する「共同研究(生存圏科学萌芽研究・生存圏ミッション研究)」及び「生存圏フラッグシップ共同研究」、さらに、生存圏アジアリサーチノードの活動・成果報告を行った。一方、今年度の各ミッションの活動紹介やミッション専攻研究員の成果報告等も行った。

なお、本シンポジウムは今年度はzoomを用いたオンラインで2日間に分けて行った。初日夕方には多数のzoomを並列で行うことでポスターセッションも行い、所内教員、ミッション専攻研究員、学内・学外研究者、さらに、生存圏科学を学ぶ学生が直接交流できる場を提供した。また一昨年度と同様、2日目に生存圏フォーラム総会もオンラインで開催した。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

本年度の生存圏ミッションシンポジウムの参加者はオンラインにて延べ153名であった。本シンポジウムが生存圏研究所の1年間の全活動の総括であるという認識が醸成されてきていると思われる。また、一昨年度同様、生存圏フォーラムの総会は、参加者の増加だけでなく、各研究者の議論の活性化や異分野交流に関して意義があった。全体を通して本シンポジウムは、萌芽・学際的な研究の発掘、将来的な生存圏科学の発展や関連コミュニティへの形成等に大きく貢献できたと考えられる。

プログラム

1日目:3月2日(火)

10:00
塩谷雅人(京都大学生存圏研究所所長)
10:10 招待講演
「脱炭素経営がもたらすビジネス革命と「地域循環共生圏」」
河田陽平氏 (環境省水・大気環境局自動車環境対策課)
セッション① 土壌圏・森林圏・大気圏の物質循環
11:00 「活動実績の総括」
杉山暁史・高橋けんし(京都大学生存圏研究所)
11:05 「グローバルな気候変動予測とミクロな微生物活動の接点」
高橋けんし(京都大学生存圏研究所)
11:17 「大気圏-森林圏-土壌圏の物質循環に重要な根圏領域の形成における植物代謝物の役割」
杉山暁史(京都大学生存圏研究所)
11:29 「高投入作物生産システムにおいて硝酸塩負荷とN2O排出をコントロールする植物由来生物学的硝化抑制(BNI)」
Papa Saliou SARR(国立研究開発法人 国際農林水産業研究センター)
11:49 総合討論
セッション② マイクロ波応用によるエネルギーの輸送・物質変換
13:00 「活動実績の総括」
篠原真毅(京都大学生存圏研究所)
13:05 「SDGs実現のためのマイクロ波エネルギー応用研究」
篠原真毅(京都大学生存圏研究所)
13:20 「Microwaves for Humanitarian Technology」
真田篤志(大阪大学 基礎工学研究科)
13:35 「宇宙発電衛星(SPS)の実現を目指して」
狼嘉彰(慶應義塾大学 大学院システムデザイン・マネジメント研究科、JAXA SSPS総合検討委員会委員長)
13:50 総合討論
セッション③ 宇宙で活かす木質科学
14:10 「活動実績の総括」
小嶋浩嗣・畑俊充(京都大学生存圏研究所)
14:15 「疑似微小重力下における樹木の成長」
馬場啓一(京都大学生存圏研究所)
14:30 「原子状酸素照射に対して抵抗性をもつ木質系ダイヤモンドライクカーボン膜」
梶本武志(和歌山県工業技術センター)
14:45 「宇宙空間での木材利用を考える」
村田功二(京都大学農学研究科)
15:00 総合討論
セッション④ 木材標本やそのデータベースを資源とした文理融合・学際研究
15:10 「活動実績の総括」
田鶴寿弥子(京都大学生存圏研究所)
15:15 「海外の美術館等に所蔵された東アジアの木彫像の樹種調査と展望」
田鶴寿弥子(京都大学生存圏研究所)
15:30 「人工知能を用いた新しい解剖学の可能性」
小林加代子(京都大学農学研究科)
15:45 「年輪幅とセルロース同位体比による降水情報の抽出:インドネシアとミャンマーでの事例」
渡邊裕美子(京都大学理学研究科)
16:00 総合討論
16:20 共同研究ポスター発表
Zoomでの開催
フラッグシップ共同研究 5件
生存圏科学萌芽研究   6件
生存圏ミッション研究  22件
ミッション専攻研究員  4件

2日目:3月3日(水)

10:00 「研究ミッション活動紹介」
梅澤俊明(京都大学生存圏研究所ミッション推進委員会・委員長)
10:30 「開放型研究推進部活動報告」
吉村剛(京都大学生存圏研究所開放型研究推進部・部長)
11:00 「学際萌芽研究センター活動報告」
篠原真毅(京都大学生存圏研究所学際萌芽研究センター・センター長)
11:30 「国際活動&アジアリサーチノード活動報告」
矢崎一史(京都大学生存圏研究所国際交流委員会・委員長)
12:00 休憩
13:00 生存圏フォーラム総会

共同研究ポスター発表

1日目の3月2日(火)16時20分からZoomで開催

生存圏フラッグシップ共同研究成果報告

  1. 「熱帯植物バイオマスの持続的生産利用に関する総合的共同研究」
    梅澤俊明(京都大学生存圏研究所)
  2. 「マイクロ波応用によるエネルギーの輸送・物質変換共同研究」
    篠原真毅(京都大学生存圏研究所)
  3. 「バイオナノマテリアル共同研究」
    矢野浩之(京都大学生存圏研究所)
  4. 「宇宙生存圏におけるエネルギー輸送過程に関する共同研究」
    大村善治(京都大学生存圏研究所)
  5. 「赤道ファウンテン」
    山本衛(京都大学生存圏研究所)

生存圏科学萌芽研究成果報告

  1. 「Methane in stems of living and dead trees (生木および枯死木における幹の中のメタンに関する研究)」
    Daniel EPRON(京都大学農学研究科)
  2. 「小角散乱を用いた飽水竹材の熱軟化温度付近におけるナノ構造の観察」
    岡久陽子(京都工芸繊維大学繊維学系)
  3. 「水中プラズマ・ファインバブル複合方式による植物生長阻害物質の
    処理技術の開発」
    高橋克幸(岩手大学理工学部)
  4. 「新興国交通で見られる特徴的な車列順の再現」
    長濱章仁(立命館グローバル・イノベーション研究機構)
  5. 「国内産カラスビシャク系統の塊茎中の低分子生理活性化合物の比較解析」
    松岡健(九州大学農学研究院)
  6. 「ドローンからのワイヤレス給電を活用したバッテリーレス環境モニタリングシステムの基礎研究」
    三谷友彦(京都大学生存圏研究所)

生存圏ミッション研究成果報告

  1. 「International collaborative study on atmospheric turbulence based on simultaneous observations with the MU radar and small unmanned aerial vehicles (UAV)」
    Hubert Luce(MIO, Toulon University)
  2. 「セルロース100 %の耐水紙の開発」
    阿部賢太郎(京都大学生存圏研究所)
  3. 「木本植物セルロース合成酵素のタンパク質解析基盤構築」
    今井友也(京都大学生存圏研究所)
  4. 「宇宙電磁環境測定のための超小型・高速信号処理FPGAモジュールの開発」
    笠原禎也(金沢大学総合メディア基盤センター)
  5. 「マイクロ波衛星データによる鳥類生態系モニタリング」
    小林祥子(玉川大学農学部)
  6. 「ウキクサ細胞壁多糖を利用したホウ素排水処理技術の開発」
    小林優(京都大学農学研究科)
  7. 「ドローン搭載型小型分光放射計開発および汽水域の分光放射観測」
    下舞豊志(島根大学学術研究院理工学系)
  8. 「ムラサキ科植物が生産するシコニン類縁体多様性創出機構」
    高梨功次郎(信州大学理学部)
  9. 「木材の組織構造を活かした光学材料の創成」
    田中聡一(京都大学生存圏研究所)
  10. 「超高層大気科学のためのデータ解析ツールの拡張と国際展開」
    田中良昌(国立極地研究所)
  11. 「肥沃でもなく酸性化も進んでいない土壌の20年後の姿」
    谷川東子(名古屋大学生命農学研究科)
  12. 「レーダーインバージョンによる大気擾乱・乱流の精測技術の開発」
    西村耕司(情報・システム研究機構、現:京都大学生存圏研究所)
  13. 「ダイズのセシウム吸収に関するカリウム以外の影響検討」
    二瓶直登(福島大学食農学類)
  14. 「飛翔体に搭載した磁気インピーダンスセンサーによる地磁気観測実験」
    能勢正仁(名古屋大学宇宙地球環境研究所)
  15. 「ソフトウェア無線多チャンネル受信システムを用いた赤道大気レーダーアダプティブクラッター抑圧技術の開発」
    橋口浩之(京都大学生存圏研究所)
  16. 「アナログ観測記録・歴史文献に基づく過去の太陽活動と宇宙天気の復元」
    早川尚志(名古屋大学高等研究院)
  17. 「宇宙地球結合系における宇宙空間・地球超高層大気プラズマ粒子の革新的計測技術の基盤開拓」
    平原聖文(名古屋大学宇宙地球環境研究所)
  18. 「夏季アジアモンスーン循環からの東方流出渦を狙った国内でのエアロゾル粒子観測」
    藤原正智(北海道大学地球環境科学研究院)
  19. 「科学衛星で観測されるプラズマ波動スペクトルの人工知能による分類解析」
    村田健史(情報通信研究機構総合テストベッド研究開発推進センター)
  20. 「シュガービートパルプと生分解性プラスチックによる透明性を有した複合材料の開発」
    矢野浩之(京都大学生存圏研究所)
  21. 「シロアリを核とした森林土壌生態系におけるマイクロプラスチックスの循環」
    吉村剛(京都大学生存圏研究所)
  22. 「プラスチック廃棄物のバイオリサイクルのための環境汚染物質分解細菌の探索と利用」
    渡邊崇人(京都大学生存圏研究所)

生存圏学際萌芽研究センターミッション専攻研究員成果報告

  1. 「Introduction of new lignin, flavonoid and stilbenoid features into grass biomass towards sustainable production of bioenergy and phytochemicals」
    Pui Ying LAM
  2. 「母岩が異なる森林土壌からの炭素放出と微生物群集の関係解明」
    中村亮介
  3. 「HSQC-NMR分析を用いた木質接着剤の接着機構解明および改良リグニンの接着剤へのアプローチ」
    安藤大将
  4. 「High-frequency measurement of the mycorrhizal hyphal production and decomposition process in forests」
    SCHAEFER Holger Christian

Symposium-0441
ポスター PDF ファイル (4 956 902 バイト)

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2020年11月25日作成,2021年3月9日更新

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