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第440回生存圏シンポジウム
第10回東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて
(第8回原発事故被災地域における放射線量マッピングシステムの技術開発・運用とデータ解析に関する研究会との共同開催)

更新日: 2021/04/23

開催日時 2020(令和2)年11月30日(月)13:20~12月1日(火)16:30
開催場所 福島会場:ザ・セレクトンホテル福島(2階会議室 信夫
京都会場:グランヴィア京都(7階会議室 式部の間
オンライン:Zoomによる開催予定
主催者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所)
杉山暁史 (京都大学生存圏研究所)
谷垣実 (京都大学複合原子力科学研究所)
申請代表者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所宇宙圏電磁環境探査分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
関連分野 生存圏科学、放射線工学、情報学、工学、植物科学、放射線計測学、社会学、土壌学。

概要

生存圏研究所においては震災関連の研究報告を、生存圏シンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」として毎年開催している。今回も複合原子力科学研究所との共同で開催した。

目的と具体的な内容

2011年3月の東日本大震災に関するシンポジウムとして、これまで合計9回の生存圏シンポジウム「東日本大震災以降の福島県の現状及び支援の取り組みについて」を毎年開催し、これまでに約560名の参加者があった。今年度はオンライン併催の強みも生かし、海外からの講演も依頼する事で、国際シンポジウムとしての開催も行う事が出来た。また、より幅広い研究テーマでの講演を行うため、2018年度より継続して複合原子力科学研究所において開催している第8回「原発事故被災地域における放射線量マッピングシステムの技術開発・運用とデータ解析に関する研究会」との共同開催を行った。

2020(令和2)年度は、共同開催でのシンポジウムとして、継続研究としての成果を東京大学、新潟大学、高知工科大学、福島大学、北海道大学などの国内大学の他、学生発表も昨年に引き続き行った。また、企業からの講演以外に、石川県などの自治体の現状に関する報告もあり、活発な議論が行われた。また、オンライン開催としてアメリカ・ローレンスバークレー研究所からの講演も行う事が出来た。

参加者としては関連大学からの参加の他、企業からの参加、研究機関、都道府県自治体などからの参加もあり、オンライン参加も含めると86名の盛況な参加となった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

生活圏を脅かす要員の一つとなりうる事故で、特に原発の事故に対しては、放射性物質の拡散などの情報が中々得られない不安定な状況になりやすく、地道な研究活動により、人類生存圏の安心・安全な社会を構築して行かなくてはならない。本研究集会では、これまで福島県の現状と復旧・復興に向けた支援研究の取り組みを継続して発表し、生存圏科学のコミュニティに現地の正しい情報を伝えることに取り組んできている。ここ数年は、福島復興や防災・減災をキーワードとした非常に幅広い分野からの発表が多く、学際融合・国際連携型の重要なシンポジウムとして開催できている事からも、継続開催の要望も多い。そのため、今後ますますの継続発展研究となることが予想される。また、本研究集会に関連して、小中高校生を対象とした震災関連の出張授業なども継続して開催している。

  • 2020/9/4 京都八幡高等学校 年生5人
  • 2020/9/23 精華町立精北小学校 4年53人
  • 2020/11/4 京田辺市立大住小学校 6年50人

プログラム

11月30日(月)

13:20 開会挨拶
上田義勝(京都大学生存圏研究所)
  (農地における汚染対策) 座長: 徳田陽明(滋賀大学)
13:25 農業現場における放射能対策の現状と今後
信濃卓郎(北海道大学)
13:55 溶存有機物が風化花崗岩土壌中の放射性セシウムの速い移動に与える影響
辰野宇大(福島大学環境放射能研究所)
14:20 栽培環境がダイズ根近傍のイオン動態に与える影響
仲宗根瑠泉(東京大学農学生命科学研究科)
14:35 福島県農産物の現状と課題
二瓶直登(福島大学食農学類)
15:05 森林から生活圏に移動・沈着する放射性物質の把握とその影響の多面的評価
大手信人(京都大学)
15:35 休憩
  (環境放射線計測技術/環境放射線関連の話題)  座長:安藤真樹(JAEA)
15:50 KURAMAの開発の現状
谷垣実(京都大学複合原子力科学研究所)
16:20 歩行ASURAの開発
後藤淳(新潟大学研究推進機構共用設備基盤センター)
16:50 CsI検出器を用いた土壌中の放射性セシウム分布の推定技術;現状報告
百田佐多生、奥田美弘(高知工科大環境理工学群)

12月1日(火)

  (環境放射線関連の話題) 座長:水野義之(京都女子大)
09:45 福島における放射線データ統合とこれからの展望
村上治子(LBNL,ローレンス・バークレー国立研究所)
10:15 空間線量率測定に基づく被ばく評価
佐藤里奈(JAEA)
10:45 休憩
  (植物への移行関係) 座長:上田義勝(京大生存研)
10:55 稲作における交換性カリ含量維持の重要性について
藤村恵人(東北農業研究センター福島拠点)
11:25 除染後農地の農地群内における放射性セシウム濃度の分布について
根本知明(福島県農業総合センター)
11:55 福島県浜通り地方における飼料用米に関する研究
齋藤隆(福島県農業総合センター)
12:25 昼食休憩
  (環境放射線計測技術/環境放射線関連の話題)  座長:杉山暁史(京都大学)
13:25 KURAMAの放射線モをモデルとする環境モニタリングの教育への応用と展望
水野義之(京都大学)
13:55 飯舘村牧草地でのkurama測定-圃場の放射能面的測定および分布深さ評価
高橋正二(認定NPO法人ふくしま再生の会)
14:25 放射線量マッピングのための屋内外測位技術の現状
津野浩一(国際航業)
14:55 休憩
  (環境放射線モニタリング活動) 座長:谷垣実(京都大学)
14:25 緊急時モニタリングにおけるKURAMAII導入
内田賢吾(石川県)
15:55 種々の走行モニタリングシステムに係る技術的仕様の調査結果について
田中博幸(日本分析センター)
15:25 福島における放射線モニタリング、マッピング、データ解析の経験と課題
斎藤公明(JAEA)
16:55 閉会挨拶
谷垣実(京都大学複合原子力科学研究所)

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2020年10月16日作成,2020年12月25日更新

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