研究会Webページ:
https://sites.google.com/site/heliosphericphysics/reconnection2019
概要
プラズマ環境で磁力線がつなぎ変わる「磁気リコネクション」過程について研究を進めている研究者を集め、研究内容を発表し、議論する場を提供する。
目的と具体的な内容
宇宙空間のプラズマ環境で磁力線がつなぎ変わってエネルギーを解放する「磁気リコネクション」過程について、理論・シミュレーション・観測・データ解析など、様々な手法で研究を進めている研究者を集め、互いの研究内容を発表し、議論する場を提供する。本研究会は(1)参加者の利便性を考えて、地球電磁気・地球惑星圏学会(SGEPSS)の秋学会と連続して開催することと(2)毎年大きなテーマに沿った招待講演者を選び、まとまった話をしていただくことを2大特徴としている。
本年度は「リコネクション実験研究の展開」という企画テーマで
- 田辺博士さん(東京大学):実験室リコネクションのトモグラフィ観測
- 蔵満康浩さん(大阪大学):高強度レーザーを用いた磁気リコネクションの実験研究
- 森田太智さん(九州大学):レーザー生成プラズマ中における自発的磁場と磁気リコネクション
の方々に実験・レーザープラズマ分野のリコネクション研究の現状を概観いただいたうえで、じゅうぶん時間をかけて研究発表と議論を行い、有意義な研究交流の機会を持った。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
磁気リコネクションは、太陽フレアを駆動し、地球磁気圏と太陽風環境との境界条件をコントロールする物理素過程である。そのメカニズムを理解することは、太陽からの膨大なエネルギーの放出機構と、そこから飛来する高エネルギー粒子の生成機構、そして、地球磁気圏内部へのエネルギー・プラズマの侵入機構を理解するための基礎となるものであり、人類の生存環境を守るために欠かせない知識となる。
今回は、宇宙プラズマ分野の聴衆に(1)実験プラズマ(2)レーザープラズマの2分野の専門家を招待して、当該分野の現況を詳しく解説していただいた。さらに、手法やターゲットが似ているが接点が少なかった日本の(1・2)分野間の交流にも貢献できた。
プログラム
09:30–10:10 | 田辺博士(東京大学) [招待講演]実験室リコネクションのドップラートモグラフィ計測 |
10:30–10:50 | 藤本桂三(北京航空航天大学) Large-scale energy conversion process in collisionless reconnection |
10:55–11:15 | Sri Ekawati(筑波大学) In situ measurement of magnetic nulls in MMS of 19 September 2019 EDR Event |
11:20–11:30 | 銭谷誠司(神戸大学/京都大学) Boris-type particle solvers in particle-in-cell (PIC) simulation |
11:35–11:45 | 松清修一(九州大学) 衝撃波リフォーメーションの実証に向けた激光12号実験 |
13:10–13:50 | 蔵満康浩(大阪大学) [招待講演]高強度レーザーを用いた磁気リコネクションの実験研究 |
14:10–14:50 | 森田太智(九州大学) [招待講演]レーザー生成プラズマ中における自発的磁場と磁気リコネクション |
15:40–16:00 | 近藤光志(愛媛大学) 非対称磁気リコネクションのMHDシミュレーションによる大規模構造の理解 |
16:05–16:25 | 小出美香(ルーテル学院高等学校) Numerical simulation of magnetic reconnection around a black hole |
16:30–16:50 | 清水徹(愛媛大学) テアリング不安定性の線形理論における非一様抵抗と一様粘性の効果 |
17:00–18:00 | Discussion |
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2019年6月28日作成,2019年10月30日更新