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第352回生存圏シンポジウム
太陽地球環境データ解析に基づく、超高層大気の空間・時間変動の解明

更新日: 2021/04/23

開催日時 2017(平成29)年9月14日(木)~15日(金)
開催場所 情報通信研究機構
主催者 新堀淳樹 (名古屋大学宇宙地球環境研究所)
申請代表者 新堀淳樹 (名古屋大学宇宙地球環境研究所)
所内担当者 山本衛 (京都大学生存圏研究所レーダー大気圏科学分野)
関連ミッション ミッション1 環境診断・循環機能制御
ミッション3 宇宙生存環境
関連分野 太陽地球物理学、情報学。

概要

太陽・地球物理分野の研究者、データ提供者、情報学分野の研究者、並びにデータベース開発者が集まり、各分野における最新の研究結果、データベースの現況や解析ソフトの開発とその問題点、そして、オープンサイエンスの動向などについての計13の講演が行われた。今回初めて他の3つの研究集会と合同で開催したことから、普段本研究集会に参加されない大学院生や若手研究者が多く参加した。また、昨年度に引き続いてデータ解析講習会を開催し、太陽・地球物理分野の若手研究者の育成に貢献した。

目的と具体的な内容

地球の超高層大気は、太陽から絶えず流入してくる太陽放射と太陽風の影響を強く受けると共に、下層大気で発生した大気重力波の上方伝播による大気擾乱の影響も受ける。また、この領域は、上下結合に加え、両極域から赤道に至る緯度間結合も強く、ここで観測される変動現象を理解する上で、人工衛星、及び、グローバル地上観測網で得られた多種多様な太陽地球観測データを包括的に解析する必要がある。本研究集会では、太陽地球系物理学分野の研究者、データ提供者、データベース開発者、情報学研究者等が集まり、太陽地球系物理学分野の重要研究課題、分野横断型研究の最新成果、必要なデータベースや解析ツール、オープンサイエンスの動向等について幅広く講演・議論を行った。また、IUGONET(超高層大気長期変動の全球地上ネットワーク観測・研究)プロジェクトが開発した解析ツール「UDAS/SPEDAS」、ウェブシステム「IUGONET Type-A」(http://www.iugonet.org/を参照)を使ったデータ解析講習セッションを開催し、太陽地球系物理学分野の研究者の育成、及び、分野横断型研究の促進を目指した。前回からの試みでデータ解析講習セッションを実際に録画し、DVDを製作することによって、本講習会に出席できなかった学生・研究者にDVDを配布して、彼らにも学習機会を与えた。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

太陽地球系物理学分野の研究者、データ提供者、データベース開発者、情報学研究者等が集まり、分野融合型研究の最新成果、データ利用者にとって利用しやすいデータベースや解析ツール、近年のオープンサイエンスの動向について分野をまたがる幅広い講演・議論を通じて、人工衛星、及び、グローバル地上観測網で得られた多種多様な太陽地球観測データの利用を促進し、分野横断型研究・融合研究から得られる多くの革新的な研究成果が得られると期待される。そして、本研究集会の特徴でもあるデータ解析講習会では、参加者が主体的に手を動かしてIUGONETプロジェクトが開発したデータ解析システムを使用し、様々な観測データの解析を行うため、将来の分野融合型研究を推進できる若手研究者の育成にもつながると思われる。

一方、これまで長年にわたり生存圏研究所が独自に取得してきた大型大気レーダー(信楽MUレーダー、赤道大気レーダー)とそれに関連する大気観測データ解析をデータ解析講習会で取り上げたことにより、本研究集会を通じて大学院生・若手研究者を中心としたこれらの観測データの利用者が増えることが予想され、生存圏科学を推進するコミュニティーの形成とその発展に貢献できると期待される。

プログラム

9月14日(木)

  「IUGONET 研究集会」
09:30–12:00 IUGONET講習会

9月15日(金)

  「IUGONET 研究集会」
10:00–10:05 趣旨説明
田中良昌(国立極地研究所)
10:05–10:25 Dst指数の上下限値とその太陽風動圧依存性
荒木徹(京都大学)
10:25–10:45 地磁気日変化の季節・太陽活動依存性について
新堀淳樹(名古屋大学)
10:45–11:05 観測データとしての歴史文献記録からみる太陽活動
玉澤春史(京都大学)
11:25–11:45 宇宙天気長期変動とスペースデブリ環境変動
阿部修司(九州大学)
11:45–12:05 極域データの共有・引用・出版に関する最近の話題
金尾政紀(極地研)
13:00–13:20 次世代リポジトリシステムと研究データ管理における図書館の役割
山地一禎(国立情報学研究所)
13:20–13:40 オープンサイエンスをめざした研究データ整備・共有の国内外動向
村山泰啓(情報通信研究機構)
13:40–14:00 WDS Asia-Oceania Conference 2017 について
渡邉堯(WDS-IPO)
14:00–14:20 研究データマネジメントの一実践例と現状の課題
能勢正仁(京都大学)
14:40–15:00 GPS-TECデータベースとその科学利用
津川卓也(情報通信研究機構)
15:00–15:20 高専での科学教育におけるIUGONETの活用について
才田聡子(北九州高等専門学校)
15:20–15:40 第2期IUGONETプロジェクトの進展
田中良昌(国立極地研究所)
15:40–16:00 IUGONETシステム報告
梅村宜生(名古屋大学)

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2017年8月8日作成,2017年11月2日更新

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