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第252回生存圏シンポジウム
植物アロマのメタ代謝科学
~生態学、大気科学、植物科学の融合~

更新日: 2015/12/04

開催日時 2014/02/28(金曜日) 10:00–17:00
開催場所 京都大学宇治キャンパス総合研究実験棟2F講義室2
主催者 京都大学生存圏研究所 (生存圏科学の新領域開拓・新研究醸成支援プログラム)
申請代表者 杉山暁史 (京都大学生存圏研究所森林圏遺伝子統御分野)
関連ミッション ミッション 1 (環境計測・地球再生)
関連分野 生態学、大気科学、植物科学。

場所: 京都大学宇治キャンパス総合研究実験棟2F講義室2

アクセス: http://www.uji.kyoto-u.ac.jp/00gaiyo/access.html

共催: 植物アロマのメタ代謝科学研究会

目的と具体的な内容

植物が放出する様々な揮発性有機化合物(植物アロマ)は、大気微量成分として大気質の変動に大きなインパクトを持ち、森林圏と大気圏を繋ぐインターフェースとしての役割を持つと見なされる。植物アロマに関する研究は、これまで主に生態学や植物生理学の分野で行われ、生存圏研究所や生態学研究センター、農学研究科においても研究が進められている。一方、大気化学の分野では放出された後の植物アロマの化学研究が主体であって、両方を包括して生存圏全体の生物圏構造を、植物アロマを介した生物間相互作用により理解しようとする試みはこれまでになされていない。

そこで、植物アロマを共通のキーワードとし、地球環境の将来変動を異分野融合の元で議論できる研究会を企画した。植物アロマに関して、大気科学、植物科学、生態学の研究者が一堂に会し講演とディスカッションを行った。森林圏と大気圏を繋ぐ鍵分子である植物アロマの動態に関して相互の理解が深まった。

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

今回、大気科学、生態学、植物生理学の研究者が、個体レベルでは微量ながら地球レベルでは大きなインパクトを持つ植物アロマを共通のキーワードに一堂に会して議論し、生存圏の生物間相互作用を駆動する植物アロマを正確に理解するための方向性についての意見交換を行った。これにより、これまでにない大気圏と森林圏を融合した共同研究の芽が生み出されたと期待できる。

将来の地球環境を予測し、持続可能な生存圏を構築するためには、大気科学、生態学、植物科学の研究者が、ミクロレベルからマクロレベルまでの統合した解析を行う必要がある。これまで、大気科学、生態学、植物生理学の3分野を統合した解析がなされていなかった植物アロマの研究を推進することにより、生存圏科学のさらなる発展が期待される。

プログラム

10:00–10:10 開会挨拶・趣旨説明
杉山暁史 (京都大学)
10:10–10:40 バイオビッグデータに挑む:メタボロミクスから化学生態学に向けたビッグデータ・サイエンスの展開
中村由紀子、森田(平井)晶、小野直亮、佐藤哲大、金谷重彦 (奈良先端科学技術大学院大学)
10:40–11:10 生合成工学からみる揮発性テルペンの植物細胞内代謝イベント
矢崎一史、杉山暁史 (京都大学)
11:10–11:40 植物による植物アロマのリクルート
松井健二、肥塚崇男 (山口大学)
11:40–12:10 植物から放出されるC1化合物と微生物-植物間相互作用による炭素循環
由里本博也、阪井康能 (京都大学)
 
   休憩
13:10–13:40 レーザー分光計測で探る植物由来揮発成分の大気化学過程
高橋けんし (京都大学)
13:40–14:10 植物アロマの大気化学 ~不均一反応の分子レベルでの解明~
江波進一 (京都大学)
14:10–14:40 植物が放出するVOCと吸収するVOC
奥村智憲 (京都大学)、谷晃 (静岡県立大学)
14:40–15:10 太陽光植物工場における植物アロマの活用 —植物診断と高度ガス環境制御—
高山弘太郎 (愛媛大学)
 
   休憩
15:20–15:50 シロイヌナズナ-アザミウマ間の相互作用とスイポウイルス媒介に関する研究
安部洋 (理化学研究所)、富高保弘 (中央農業総合研究センター)、瀬尾茂美 (農業生物資源研究所)、下田武志 (中央農業総合研究センター)、釘宮聡一 (農業環境技術研究所)、櫻井民人 (東北農業研究センター)、津田新哉 (中央農業総合研究センター)、小林正智 (理化学研究所)
15:50–16:20 植物の匂いを介した植物、植食性ハダニ、捕食性天敵の相互作用の分子メカニズム
有村源一郎 (東京理科大学)、小澤理香 (京都大学)
16:20–16:50 植物アロマのメタ代謝の視点で生物間相互作用を考える
高林純示 (京都大学)
16:50–17:00 閉会挨拶
高林純示 (京都大学)

 

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