目的と具体的な内容
これからの人類社会の生存を図るためには、地球環境全体に及ぼす影響の大きさからアジア熱帯域における「生存圏科学」の構築が不可欠である。
本研究所は生存圏科学の構築に向けて強力な研究協力関係をインドネシア科学院(LIPI)やインドネシア航空宇宙庁(LAPAN)と結んでおり、これまで数回にわたって国際シンポジウムをインドネシアにおいて開催してきた。また、若手研究者・学生と対象としたスクールを、「木質科学スクール」として 2006(平成18)年度から 2 回、その 2008(平成20)年度からは「生存圏科学スクール」として 4 回、計 6 回実施してきた。
一方、本研究所は東南アジア研究所他との共同でグローバル COE プログラム「生存基盤持続型の発展を目指す地域研究拠点」を 2007(平成19)年度より実施中であり、上記 4 回の「生存圏科学スクール」は本プラグラムとの共催で行われたものである。
本スクールは、インドネシアの若手研究者・学生を対象とし、生存圏科学全般について最新の研究成果を紹介するとともに、生存圏科学の国際的かつ多面的な発展を企図した活動を維持発展させることを目的としている。さらに、日本人学生も参加させることにより国際的な視野を持った研究者の育成も目指している。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
上述した様に、アジア熱帯域における「生存圏科学」の構築が人類のこれからの生存のためには必要であり、そのためには、科学的データに基盤を置いた生存圏の正確な「診断」と「修復」が不可欠である。
生存圏研究所が実施しつつある、インドネシア科学院(LIPI)、インドネシア航空宇宙庁(LAPAN)などとの国際共同研究やグローバル COE プログラム等のサポートによる国際シンポジウムの共同開催は、継続的な研究協力体制の維持発展に資するところが大であるとともに、生存圏科学の地球規模での発展に寄与するところが大きい。
本「生存圏科学スクール」には、インドネシアから 150 名の若手研究者・学生が参加し、環境科学・植物科学・木質科学・大気圏科学に関する最新の研究成果を聴講するとともに、活発な討論により「生存圏科学」の幅広い繋がりを意識することとなった。今回を含めてこれまでの計 7 回のスクール(「木質科学スクール」として 2 回、「生存圏科学スクール」として 5 回)により、600 名を越えるインドネシアの若手研究者・学生が聴講生としてリストアップされており、これはそのまま「生存圏科学コミュニティ」の一員としてカウントされうるものである。また、今回は 3 名にとどまったものの、生存圏研究所で学ぶ日本人学生の参加も推奨されており、教育的な意味でも大きな意義を有している。
以上のように、「生存圏科学スクール 2011」の開催は、生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成に大きく貢献するものである。
プログラム
First Day: 30 September 2011 (Friday)
12:30–13:30 | Registration |
13:30–13:40 | Welcome speech by Prof. Lukman Hakim (LIPI) |
13:40–13:50 | Welcome speech by Prof. J. B. Tetelepta (UNPATTI) |
13:50–14:00 | Welcome speech by Prof. Shuichi Kawai (RISH) |
14:00–14:10 | Opening remarks by Governor of Maluku |
Special Session | |
14:30–14:50 | Prof. Takashi Watanabe Introduction of RISH |
Lecture Session I | |
14:50–15:30 | Prof. Bambang Prasetya Man and Biosphere Program in Indonesia as a Natural Laboratory Model for Sustainable Socio-economic Development for Tropical nature Forest |
15:30–16:10 | Prof. Shuichi Kawai Development of the Tropical Plant Fiber Composites |
16:30–17:10 | Prof. Tsuyoshi Yoshimura Evaluation of Biodiversity of Wood-deteriorating Organisms in Tropical Plantation Forests and a Proposal for Sustainable management |
17:10–17:50 | Prof. John Matinahoru Forest Management in Small Island |
17:50–18:30 | Prof. Bambang Subiyanto Strengthening Innovation through Technology Business Incubator in Indonesia |
Second Day: 1 Ocotober 2011 (Saturday)
Lecture Session II | |
09:00–09:40 | Prof. Cecep Kusmana Mangrove Biodiversity in Indonesia |
09:40–10:20 | Dr. Motoko Fujita Bird Diversity Assessment in a Tropical Acacia Plantation |
10:50–11:30 | Dr. Yusuke Ebihara Current Understanding and Future Directions of Space Weather Research |
11:30–12:10 | Dr. Masayuki Yamamoto The Equatorial Atmosphere Radar (EAR): System description and observation results |
Lecture Session III | |
13:30–14:10 | Prof. John Tetelepta Climate Change and Small Islands —Their relationship to Coastal Community Maluku Case |
14:10–14:50 | Dr. Akifumi Sugiyama Mutualistic Plant Microbe Interactions in the Rhizosphere |
14:50–15:30 | Dr. Adi Santoso Biodiversity based drug —Development of Recombinant Human Erythropoietin for Anti-Anemia |
Lecture Session IV | |
16:00–16:40 | Prof. Takashi Watanabe Lignocellulosic Biorefinary for Sustainable Humanosphere |
16:40–17:20 | Dr. Kentaro Abe Cellulose Nanofibers from Plant Sources–Preparation and Characterization |
17:20–17:30 | Closing Ceremony by Prof. Shuichi kawai |
Third Day: 2 October 2011 (Sunday)
08:00–17:30 | Culture Trip |
Fourth Day: 3 Ocotber 2011 (Monday)
The 1st International Symposium for Sustainable Humanosphere (ISSH, Special presentation session by Indonesian and Japanese young scientists)