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第153回生存圏シンポジウム
宇宙生存環境学の開拓

更新日: 2015/05/22

開催日時 2010/08/06(金曜日) 10:00–17:00
開催場所 京都大学生存圏研究所 木質ホール3階
主催者 京都大学理学研究科附属天文台 柴田一成
申請代表者 柴田一成 (京都大学理学研究科附属天文台・教授)
所内担当者 津田敏隆 (京都大学生存圏研究所大気圏精測診断分野)
関連ミッション ミッション 3 (宇宙環境・利用)
関連分野 太陽物理学、天文学、地球科学、生物学。

目的と具体的な内容

宇宙生存環境学とは、人類を含む生命の宇宙での生存や進化とその取り巻く環境の解明を目指す学問のことをいう。この新しい学問の開拓に関わる関連研究者(京大理学研究科、生存圏研究所、ほか)を一同に集めて、宇宙生存環境学の開拓に必要な情報の交換、研究交流を行う。

具体的には以下の内容を議論する。

  1. イントロ: 宇宙天気研究から宇宙生存学へ
  2. 太陽活動
  3. 地磁気嵐
  4. 磁気圏放射線環境
  5. 超高層大気
  6. 太陽活動の気候変動への影響
  7. 3.8 m 新技術光赤外線望遠鏡
  8. ガンマ線バースト
  9. ブラックホール天体
  10. 系外惑星・地球外生命探査
  11. 地球衝突小惑星探査
  12. アストロバイオロジー

 

生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献

「宇宙生存環境学の開拓」の第 1 歩として、関連する学問分野である、宇宙天気・宇宙気候研究(太陽物理学、地球科学)、天文学、宇宙生物学(アストロバイオロジー)の分野の研究者、とりわけ、京大内の指導的役割を演じている研究者を一堂に集めて各分野のレビューを行い、それに基づいて今後の研究計画を議論した。京大内には存在しない分野、アストロバイオロジーと電波天文学、については外部から指導的研究者を招待した。シンポジウムの結果、宇宙生存環境学の分野のおよその全貌を知ることができ、普段顔を合わすことのない天文学分野と地球大気分野の研究者の交流ができた。しかしながら,広範な学問分野に関連するる宇宙生存環境学にとって,これらの学問分野間の相互連携を強化する点が大きな課題として本シンポジウムを通して再認識された。京大内にないアストロバイオロジーや電波天文学の分野が天文学と地球科学を結ぶ上で、興味深い位置を占めていることも見てとれた。

京大内の研究交流・共同研究・組織再編(京大宇宙総合学研究ユニットの役割)、京大外との共同研究の在り方などについても議論した。宇宙総合学研究ユニットには生物や地球の研究者が少ないことが指摘されたが、宇宙に関係した京大の生物学者は現在そもそもきわめて少数である。京大は惑星分野が弱いことも指摘されたが、惑星分野は神戸大が強く、京阪神連合として学問を推進する方向性もあることが述べられた。また、宇宙ユニットは文系の学問をも含む方針であることが強調された。

最後に、「宇宙生存環境学の開拓」分野の新学術領域再チャレンジにあたっての今後の方針などが議論された。

プログラム

10:00–10:20 柴田一成 研究会の趣旨
10:20–10:40 丸山茂徳 地球史
10:40–11:00 太陽
11:00–11:20 余田成男 太陽の気候への影響
11:20–11:40 津田敏隆 中間圏・熱圏下部の力学過程
11:40–12:00 塩谷雅人 地球大気質の変動
12:00–13:00 昼食  
13:00–13:20 家森俊彦 地磁気
13:20–13:40 大村善治 宇宙プラズマ(放射線帯)
13:40–14:00 小林憲正 宇宙生物学(生化学からのアプローチ)
14:00–14:20 突発天体
14:20–14:40 太田耕司 ガンマ線バースト
14:40–15:30 休憩  
15:30–15:50 大石雅寿 宇宙生物学(電波天文からのアプローチ)
15:50–16:10 長田哲也 3.8 m望遠鏡
16:10–16:30 川辺良平 電波で探る宇宙; 現在そしてアルマ/SKA時代
16:30–17:00 議論  

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