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要旨
樹木が大気中から取り込んだ炭素は、幹枝や根といった木部の生産に使われると長期間樹体内に蓄積されます。そのため木部の生産量は、森林と大気の中長期的な炭素収支を考えるうえで重要なパートです。また木部生産量は年により増減します。年変動を駆動する気象要因を明らかにするにあたり、地上高1.3 m位置の幹の年輪幅を指標とし、幅の広い年は木部生産量の多かった年とみなした解析が世界中で行われてきました。一方で、幹の年輪幅が広い年に、枝や根の年輪幅も広いとは限らないことが分かりつつあります。つまりこれまでの指標では、樹木個体の木部生産量の年変動を確からしく評価できていないかもしれません。今回は、枝先から根の先端までの様々な位置の年輪幅を計測し、トレードオフなどの関係を探る研究について紹介します。
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2024年6月3日作成