発表者
片平正人 (京都大学エネルギー理工学研究所・教授)
要旨
演者はこれまで超高感度検出器(クライオプローブ)を装着した NMR 装置を用いて、タンパク質、機能性核酸等を対象としたライフイノベーション分野の研究に取り組んできた。また同装置を用いた溶液 NMR 法は、木質バイオマス等を対象としたグリーンイノベーション分野の研究でも有用である事をここ最近示してきた。
本セミナーではまず初めに、抗 HIV 活性を有するヒトのタンパク質が、標的 DNA 上をスライディングしながら塩基改変を行う機序を、リアルタイム NMR 法によって解明した結果について紹介する。続いて、溶液 NMR 法によって木質バイオマスに関してどのような情報が取得できるのかについて、具体的な解析例を示しつつ説明する。