要旨
化石燃料は現代社会に於いて最も重要かつ必須な資源であるが、その使用は地球温暖化等の問題を引き起こすうえ、限りある資源、特に偏在の顕著な石油の獲得 競争は時として紛争をも引き起こす。また、食糧資源由来のバイオエタノール生産は物価の上昇や飢餓の要因となって人々の生活を苦しめる。そこで本研究では このような諸問題の解決を目指し、地球上で最も多くかつ広く存在し、再生可能なうえに食糧とも競合しない有機資源である木質バイオマスからの有用物質生産 を目指している。本セミナーでは、一回のマイクロ波-増感触媒処理における糖の回収量および生成したリグニン分解物の種類を紹介するとともに、生成したリ グニン分解物をどのような分野で使用できるのか、その応用方法の一部を紹介する。