概要
森林科学、植物科学、微生物学、土壌学等、幅広い分野からのの講演とポスター発表を行うことにより、植物マイクロバイオータを広義に捉え、様々なレベルでの植物マイクロバイオータ研究について議論し、生存圏科学の観点からその俯瞰を試みる。
目的と具体的な内容
植物と相互作用する多種多様な微生物の総体を植物マイクロバイオータと呼ぶが、植物マイクロバイオータは植物の生長・生理・病理に大きく影響する。植物マイクロバイオータ研究は次世代シーケンサを用いた大規模なメタゲノム解析や、大量の微生物の培養とそのゲノム解析などによって「誰がそこにいるか」という疑問の答えはかなり理解が進んできたといえる。その一方で、これらの微生物が植物とどのように相互作用し、植物の生理にどうのように影響を与えているのか、また個々の微生物同士がお互いにどのように影響を与えあい、それが宿主植物との相互作用にどのように関与しているのかなど、その詳細な分子機構の理解へは至っていない。
本シンポジウムでは、2021年度に開催したPMRN、2022年度に開催したPMRN2022、2023年度に開催したPMRN2023、2024年度に開催したPMRN2024と同様に森林科学、植物科学、微生物学、土壌学等、幅広い分野からの「マイクロバイオータ」という視点での講演とポスター発表を行い、植物マイクロバイオータを広義に捉え、様々なレベルでの植物マイクロバイオータ研究について議論し、その俯瞰を試みた。
生存圏科学の発展や関連コミュニティの形成への貢献
生存圏研究所のミッション1の循環やミッション5の生理活性物質はマイクロバイオータの機能と関係が深い。本シンポジウムで,これまで狭義に捉えらてきた「植物マイクロバイオータ」という研究分野をより広義に捉え,実験室内での微生物ー微生物相互作用の生化学的な理解から生存圏全体での重要性を考え、様々なレベルでの植物マイクロバイオータ研究について議論することができた。オンラインシンポジウムの利点を活かし、海外の研究者からの講演を取り入れた。また、産学官から多くの参加者があり、生存圏科学のコミュニテー形成に貢献した。
プログラム
| 13:10‐ | 松本はるな (浙江大学) 植物病害における葉圏マイクロバイオームの役割 |
| 13:50‐ | PMRN2024 ポスター賞受賞者講演 |
| 阿部航己 (近畿大学農学部) リン欠条件下で植物の成長を促進する植物内生細菌の解析 |
|
| 野村結南(筑波⼤学⼤学院⽣命環境科学研究科) 免疫活性下でも成長を維持する仕組みに関わる因子の探索 |
|
| 稲垣裕介(北海道大学 大学院 理学 研究院) 根圏合成コミュニティにおける糸状菌と窒素固定細菌の協調的機能 |
|
| ポスターセッション | |
| 16:00‐ | 菅野学(産業技術総合研究所) 植物共生放線菌の生活様式の解明と微生物資材開発に向けて |
ポスター
ページ先頭へもどる
2025年4月7日作成/8月21日更新



