研究課題
樹木細根からの生物揮発性有機化合物放出速度の手法確立と実測
研究組織
代表者 | 牧田 直樹 (信州大学理学部) |
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共同研究者 | 高橋 けんし(京都大学生存圏研究所) 伊藤 雅之(京都大学生存圏研究所) |
関連ミッション |
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研究概要
本研究が着目する温室効果ガス態である生物起源揮発性有機化合物(Biogenic Volatile Organic Carbon, 以下BVOC)は、イソプレン、モノテルペン類、セスキテルペン類などの炭化水素の他に、エステル類やアルコール類も含まれ、大気中に放出されると、NOxの存在下でオゾンを生成し、オゾンやヒドロキシラジカルを破壊する等、大気環境に影響を与える。気候変動に対する影響評価および将来予測を行うためにも、森林生態系におけるBVOCガス交換特性を定量評価することは重要な課題である。しかし、植物―大気の相互作用における樹種の効果や、根からの放出量および組成の効果の定量化はほとんど報告されていない。本研究では、樹木根からの根BOVCの測定手法を確立し、放出量および組成の樹種特異性を定量化することを目的とする。
研究の特色は、これまで異なる研究分野で単独に研究されていた「植物学」と「大気環境学」の事象間の関係性に目を向けて定量評価していくことである。断片的に知られていた植物-大気間の相互作用を、根のBVOCを介した物質の動きを基軸に解明を進め、生物圏科学の新しい横断的分野を創出したいと考える。本課題では、研究例が極めて少ない実際の野外生態系での測定からBVOCの放出速度および組成を試みる先駆的な研究である。
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2024年8月27日作成