Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2020(令和2) 年度 生存圏科学 ミッション研究 14

研究課題

飛翔体に搭載した磁気インピーダンスセンサーによる地磁気観測実験

研究組織

 代表者 能勢正仁(名古屋大学宇宙地球環境研究所)
 共同研究者 小嶋浩嗣(京都大学生存圏研究所)
浅村和史(宇宙航空研究開発機構)
野村麗子(宇宙航空研究開発機構)
関連ミッション
  • ミッション3 宇宙生存環境
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

近年、センサーデバイスの高性能化・低価格化・省電力化・軽量小型化が進んでいる。こうした状況を背景に、この研究では、宇宙空間の電磁気的変動を知る上で最も重要な物理量である地球磁場(地磁気)に着目し、比較的高性能ながら安価である磁気インピーダンス(Magneto-Impedance (MI))センサーを科学探査ロケットに搭載して、高度約400 kmにおける地磁気観測を行い、飛翔体におけるMIセンサーの有効性を検証することを目的とする。MIセンサーおよびアンプ部は合計で、大きさが70 mm×70 mm×50 mm程度、重さが500 g程度、価格が30万円程度であり、従来の磁場センサーに比べて小型・軽量・安価である。そのため、同じ研究費であっても多くの計測装置を準備することができ、将来に向けて、多数の超小型人工衛星による地磁気観測への道を拓くものである。

2021年度冬季に、オーロラ観測を主目的とした科学探査ロケットLAMP (Loss through Auroral Microburst Pulsations)が、NASAによってアラスカから打ち上げられる予定になっている。ロケットの到達高度はおよそ400 kmであるため、大気密度・放射線強度に加え、打ち上げ時・落下時の加速度など、搭載した観測器がさらされる環境は、地上における環境とは大きく異なっている。これまでに、MIセンサーにより地上において地磁気を1 nT以下の精度で計測できることは確認済み(図1参照)であるが、飛翔体に搭載して、超高層での地磁気観測は行われたことがないので、こうした環境でのMIセンサーの有効性は不明なままである。

打ち上げに向けて、2020年夏から秋にかけては、これまでに制作したセンサー回路部および信号処理部(図2)のかみ合わせ試験を、野村博士・浅村博士と共に宇宙航空研究開発機構にて行う予定である。また、茨城県石岡市にある柿岡地磁気観測所の施設を利用して較正試験を行う。2021年度冬季の打ち上げ時にはアラスカの射場で最終確認試験などを行い、打ち上げ後は、観測データや工学データを解析し、飛翔体搭載時のMIセンサーの計測データ品質の評価などを行う。

能勢正仁: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図 1図1: 2018年4月4日に観測した、MI磁気センサー(上図)とフラックスゲート磁力計(下図)による地磁気変動。どちらのセンサーでも地磁気脈動と呼ばれる地磁気振動現象が捉えられていることが分かる。

能勢正仁: 2020(令和2)年度生存圏ミッション研究 図 2図2: 開発したLAMPロケット搭載用センサー回路部(MIM-S, Magneto-Impedance Magnetometer-Sensor)と信号処理部(MIM-E, Magneto-Impedance Magnetometer-Electronics)。

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2020年8月3日作成

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