Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2019(平成31) 年度 生存圏科学 ミッション研究 23

研究課題

科学衛星で観測されるノイズの人工知能による解析

研究組織

 代表者 村田健史(情報通信研究機構総合テストベッド研究開発推進センター)
 共同研究者 小嶋浩嗣(京都大学生存圏研究所)
笠原禎也(金沢大学総合メディア基盤センター)
松田昇也(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)
関連ミッション
  • ミッション3 宇宙生存環境
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

図は、科学衛星Araseのプラズマ波動観測器(PWE)で観測された人工ノイズのスペクトルの時間変化である。横軸は時間で、縦軸が周波数で、対応するスペクトルの強度がcontourで表されている。矢印で示した期間に現れているスペクトルが、自然波動ではない人工的なノイズのスペクトルである。このノイズは、衛星が地球の影から抜け出す際に徐々に日が当たり始める際に発生することがわかっており、太陽電池パネルとその出力制御回路による可能性が示唆されている。このように明らかにノイズとわかるスペクトルで、且つ、発生タイミングやノイズ源がわかっているノイズに加え、その発生原因やタイミングがわからないノイズもあり、多種多様なノイズがすでに認識されている。一方、その観測スペクトルが、ノイズであるのか、自然現象であるのか断定できないものもあり、そのような観測データをどう扱うかが問題である。人工ノイズを、自然現象と判断して解析することで、誤った物理解釈へと繋がってしまう問題がある。そこで、本研究では、人工知能を用いて「教師データ」として、具体的なノイズ、あるいは、ノイズと考えられるイベントを用意し、それと、衛星内部の状態を逐次あらわしているHouse keeping dataなどを対応させてdeep learningをさせていく。そして、人工ノイズが発生する条件を判定させ、実際に観測されているスペクトルが自然現象と考えるのか、人工ノイズと考えるのかについて判断する指標を導出する。人工知能としては、畳み込みニューラルネットワーク(CNN: convolutional neural network)を利用する。CNNは画像認識や音声認識で使用されるニューラルネットワークであるが、本研究では、衛星の状態を表すHouse keeping dataなどのビット列の組み合わせと、ノイズスペクトルを対応させるため、CNNが最適である。本研究では、CNNを用いた人工ズ発生条件の判定に加え、様々な自然現象スペクトルに対しても判定を行うことができるようなシステムの構築も目指す。

村田健史: 2019(令和元)年度生存圏ミッション研究 図図: Arase衛星で観測される人工ノイズ(中央).

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2019年9月10日作成

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