Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2019(平成31)年度 生存圏科学 ミッション研究 9

研究課題

イチジク乳液のオミックスと生化学の総合的解析 ~防御機能を担う二次代謝機能を中心に~

研究組織

代表者 北島佐紀人(京都工芸繊維大学応用生物学系)
共同研究者 Eric Savadogo(京都工芸繊維大学大学院博士後期課程)
矢崎一史(京都大学生存圏研究所)
Alain HEHN(Universite de Lorraine)
棟方涼介(Universite de Lorraine)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御

研究概要

化石資源に依存しかつ生存圏を汚染する従来の化学農薬に代替可能な、新しい病原菌・害虫駆除技術が農業に求められている。本研究では、生存圏の科学の発展に貢献するべく、植物の乳管細胞と呼ばれる生体防御に特化した細胞に着目し、その細胞質成分(“乳液”)に含まれる未知の防御システムを理解し、これにより抗病原菌・抗害虫GM植物等に応用可能な新規遺伝子ツールを提供しようとする。

モデル植物に乳液が存在しないことも理由となり、乳液の独自な防御システムはほとんど未解明である。乳液生理を解明することで、モデル植物の研究者が見落としてきた新規抗菌・抗昆虫システムの発見が期待できる。国内で栽培が容易なイチジクを研究材料として、これまでに、潜在的外敵が異なる3つの器官(下写真)より乳液を採取し、トランスクリプトーム、プロテオーム、メタボロームデータを取得した。これらの乳液の遺伝子発現と二次代謝物量に、多くの器官間差異を見出した。今年度はとくに二次代謝物を中心に研究を実施し、これらの部位間の乳液の二次代謝物を介する生体防御戦略の共通点と相違点を明らかにする。また、他の植物の比較を通じてイチジクにおける独自進化の可能性とその意義を検討する。イチジク乳液生理の器官間差異の理解を通じて防御システムの多様性を理解するとともに、GM植物等に応用可能な新たな遺伝子ツールを提案する。

Kitajima, S., Aoki, W., Shibata, D., Nakajima, D., Sakurai, N., Yazaki, K., Munakata, R., Taira, T., Kobayashi, M., Aburaya, S., Savadogo, E.H., Hibino, S., Yano, H.
Comparative multi-omics analysis reveals diverse latex-based defense strategies against pests among latex-producing organs of the fig tree (Ficus carica)
(2018) Planta, 247 (6), pp. 1423—1438. doi: 10.1007/s00425-018-2880-3

北島佐紀人: 2019(令和元)年度生存圏ミッション研究 図

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2019年8月5日作成

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