Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2018(平成30) 年度 生存圏科学 ミッション研究 16

研究課題

熱帯産木材の曲げ加工による高意匠化

研究組織

 代表者 杉元宏行(愛媛大学大学院農学研究科)
 共同研究者 剛(京都大学生存圏研究所)
仲井一志(京都大学農学研究科)
関連ミッション
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

世界の森林面積は、南アメリカやアフリカなどの途上国を中心に減少している。その原因は、農地などへの転用や、木材の薪炭材としての利用が主とされる。したがって、森林内の木材が収入源となることにより、転用も防がれるとともに、エネルギーとしての利用も抑制され、結果として森林面積の減少防止につながるともいえる。また、よく知られているように、木材は材料とする際の製造エネルギーが他材料と比較して低い。そのため、地球温暖化防止を目的とした総合的なエネルギー消費の抑制を目指す場合、薪炭材などのエネルギー利用ではなく、材料として木材を利用することが望まれる。

一方で、これらの熱帯地域では、一般的に樹木の多様性が高いことが知られており、早生樹だけでなく高密度かつ良質な材も存在する。しかし、これらの高密度材は、加工および乾燥が非常に困難であり、一部の工芸的な利用に限定されていることから、大きな需要とはなっていない。したがって、森林内の木材から十分な収入が継続的に得られることはなく、結果として、それらの森林の適切な管理・保護へのインセンティブとならずに、その場での需要としての低付加価値な薪炭材利用となってしまっている。

そこで、それらの材に対して、高付加価値付与技術の開発およびその産業化を行うことにより、現地住人への利益還元と適切な森林管理へのインセンティブを作ることが可能と考えられる。特に、自動車内装や家電外装などは、意匠性が重視されており、それへの木材の適用技術が強く求められている。例えば、自動車用木製ハンドルは高価格で取引されているが、これを曲げ加工によって作製する技術の開発なども注目されている。申請者らは、過去に、自動車内装材への適用を目指した木材の変形加工についての研究を行ってきており、最近では種々の木材の曲げ加工性や付加価値につながる意匠についての研究を行っている。例えば、一般的に曲木に使われてこなかったクヌギ材の曲げ加工条件について検討を行った。図は曲げ加工条件の異なる曲げクヌギ材である。クヌギは曲木によく利用されるミズナラと同じコナラ属(Quercus)ではあるが、曲げ加工条件がミズナラよりもシビアであった。

以上の背景より、本研究では、熱帯産木材への高付加価値化付与を目指し、車両内装や家電外装などの用途に適した意匠となりうる熱帯産樹種の選定を行い、それらに対して曲げ加工性の調査と加工条件の検討を行う。

杉元宏行: 2018(平成30)年度生存圏ミッション研究 図図 クヌギ材の曲げ木の写真 曲げ加工条件によって良否(得られる製品の形状)が大きく異なる

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2018年8月1日作成

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