Research Institute for Sustainable Humanosphere

2017(平成29)年度 生存圏科学 ミッション研究 7

研究課題

多波長カメラ2点観測による極域大気流出現象の立体構造の解明

研究組織

 代表者 小川泰信(国立極地研究所)
 共同研究者 小嶋浩嗣(京都大学生存圏研究所)
齋藤義文(宇宙科学研究所)
阿部琢美(宇宙科学研究所)
細川敬祐(電気通信大学)
関連ミッション
  • ミッション3 宇宙生存環境
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

地球大気の流出過程には、電離した大気(イオン)がプラズマ波動によって加熱・加速される機構が重要な役割を担っていると考えられている。そのイオン加速とプラズマ波動励起の因果関係を定量的に理解するために、波動-粒子相関計測器(WPIA、京都大学生存研による開発)を搭載したロケットキャンペーン観測(SS-520-3)が平成29年12月にスバールバルで実施される。本研究では、(1)そのキャンペーン時に2地点におけるオーロラ発光観測を実施することで、オーロラ発光を多点かつ多波長で取得し、秒オーダーの時間分解能でオーロラ降下粒子の分布を推定する手法を確立すること、(2)その成果を活用し、ロケット搭載機器や地上レーダーによる同時観測データを合わせ用いることにより、オーロラ降下粒子の時空間変化が大気流出に対してどのような重要性及び役割を有するかを明らかにすること、を目的としている。この地球大気の流出機構の解明は、地球大気組成の変遷の理解にも繋がり、人類を含む生物の生存環境に関する新たな知見を与えることが期待される。

本研究は、宇宙科学研究所のSS-520-3号機ロケットを用いて地球大気の流出機構解明を目指す総合観測研究(図 1及び図 2参照。主にノルウェーとの国際共同観測)の主たる内容の1つに位置付けられる。SS-520-3ロケット実験による電離圏/熱圏(100–1000 km)のその場観測と、地上からの光学・レーダー観測を相補的に組み合わせた共同キャンペーンの中で、地上観測系の拡張とそのデータ解析を中心に実施する。複数のオーロラ発光波長を用いた全天カメラ観測を、(1)スバールバル・ニーオルセン(Ny Alesund)・ラベン基地及び、(2)ロングイヤビン(Longyearbyen)のスバールバル大学(UNIS)の有する光学観測所の2地点で実施する。ロケットキャンペーン終了後には速やかに光学観測データの詳細解析を進め、大気流出におけるオーロラ降下粒子の時空間変動を調査すると共に、2地点観測データから得られるオーロラ立体分布の推定手法の有用性を検証・議論する。さらに、ロケット搭載機器及び地上レーダーを含む総合観測から、オーロラ降下粒子やプラズマ波動がどのような条件下で大気流出を引き起こしているかを重点的に調査・解明する。

小川泰信: 2017(平成29)年度生存圏ミッション研究 図

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2017年8月4日作成

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