Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2016(平成28) 年度 生存圏科学 ミッション研究 21

研究課題

耐環境変動性を有するマイクロ波エネルギー伝送システムの研究開発

研究組織

 代表者 西川健二郎(鹿児島大学理工学研究科)
 共同研究者 篠原真毅(京都大学生存圏研究所)
吉田賢史(鹿児島大学理工学研究科)
関連ミッション
  • ミッション2 太陽エネルギー変換・高度利用
  • ミッション3 宇宙生存環境
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

研究目的

マイクロ波を用いた宇宙太陽光発電所から地上へエネルギー伝送や地上での無線電力伝送等は気象変化等により伝送効率が変動する.伝送効率変動によって,受信機側に供給されるエネルギー量が変動し,受信機のマイクロ波-DC変換効率が低下するという問題が生じている.また,マイクロ波無線電力伝送システムは災害時のバックアップ電力供給システムとしての期待があるが,システム設置環境が送受信間伝送効率に影響を与えるため,柔軟な運用ができないという問題点がある.本研究では上記のような問題点を解決し,安定かつ高効率な電力供給を実現するための無線電力伝送システムを実現する基盤技術を提案,実証することである.特に本研究では受信機に着目し,入力エネルギー量に依存しない高効率整流回路実現に向けて,回路構成法及び送受信間伝送効率に応じた最適なエネルギー伝送信号波形制御法による高効率整流回路動作を提案,実証する.

本研究の最終的な目標は環境変動に依存しないマイクロ波エネルギー伝送システム・ネットワークを構築することである.目標とするマイクロ波エネルギー伝送システム・ネットワークは宇宙空間から地上への安定エネルギー供給,災害時のバックアップに加えて,離島や山間部等過疎地域でのエネルギー伝送システムの一翼を担うことが期待できる.また,本研究成果は生存圏だけでなく,宇宙圏における衛星の持続的運用を実現する衛星間エネルギー伝送システム・ネットワーク実現への応用が期待できる.

研究方法

本研究では,受信機の入力エネルギー量に依存しない,高効率整流回路を実現する目的で,1)回路構成法及び2)入力するエネルギーレベルに応じた信号波形制御による整流回路の高効率動作を検討する.また,送受信アンテナを介したシステム実験を行い,提案構成によるマイクロ波無線電力伝送システムの検証を行う.具体的な方法等を以下に示す.

1)回路構成アプローチ(提案回路)

入力信号レベルに応じて動作する単位整流回路を複数並列に配置し,スイッチを用いない信号分配動作を実現する回路構成により,信号レベルに応じてシーケンシャルに単位整流回路が切替る動作を行う.
(参考:黒岩他,シーケンシャル動作による広ダイナミックレンジ整流回路の提案,2015年電子情報通信学会総合大会C-2-8)

2)信号波形制御アプローチ

一般に整流回路の効率は入力電力に依存することが知られており,特に入力電力レベルが低い場合の変換効率向上が必要である.本研究では整流回路の動作点において最大効率となる信号波形を明らかにし,上記1)で提案する回路を用いて,その実証を行う.信号波形として,マルチトーン信号,変調信号,パルス信号等を検討し,整流回路動作を検証する.

上記2つのアプローチ方法をシミュレーションを用いて行い,整流回路性能,整流回路における信号波形と入力信号レベル,変換効率の関係を明らかにする.シミュレーション結果を反映した試作回路を用いて実証するとともに,無線電力伝送システムを構築し,空間伝搬によるシステム検証を行う.

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2016年8月5日作成

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