Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2016(平成28) 年度 生存圏科学 ミッション研究 15

研究課題

極域電離大気流出過程に関する波動粒子相互作用の観測

研究組織

 代表者 小嶋浩嗣(京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 八木谷聡(金沢大学理工研究域)
笠原禎也(金沢大学総合メディア基盤センター)
石坂圭吾(富山県立大学工学部)
加藤雄人(東北大学大学院理学研究科)
尾崎光紀(金沢大学理工研究域)
関連ミッション
  • ミッション3 宇宙生存環境

研究概要

地球の極域上空カスプ領域から、上空の電離気体(水素イオン、酸素イオンなど)が宇宙空間に流出しており、現在にいたる地球の大気の進化と密接に関係していると考えられている。またそのメカニズムの理解は、火星や金星など大気をもつ惑星の上層大気流出や、その影響による惑星大気進化の理解へとつながる。このカスプ上空からのイオン流出のメカニズムとして、波動粒子相互作用によるイオンの垂直加熱が有力であると考えられている。そのためカスプ域に対するロケット実験・レーダー観測による研究が広く取り組まれてきているが、我々もSS-520-3ロケット実験を2017年度12月にノルウェー・スバールバールから行うことが決まっている。SS-520-3では、我々が開発してきた高性能小型プラズマ波動観測器の搭載に加え、やはり我々が考案した波動粒子相互作用を直接観測する「波動粒子相互作用分析器(WPIA)」も搭載する計画であり、これにより従来、他の観測では明らかにできなかったイオンの垂直加熱プロセスを解明できると期待されている。本研究では、このSS-520-3ロケット実験に搭載するプラズマ波動観測器およびWPIAの設計・開発を行いSS-520-3ロケット実験を成功させ電離大気の宇宙流出現象の理解に大きく貢献することを目的とする。

ロケット実験を成功させ極域上空イオン流出現象解明に至るためには、搭載機器の高い性能保証が必要である。SS-520-3ロケット実験では、平成28年度に装置の設計・開発・性能確認を行い、平成29年度初頭よりロケット本体に観測器を組み込んだ上での試験に入ることになっている。図は、我々がSS-520-3ロケット実験用に開発したプラズマ波動観測器用アナログチップのレイアウトである。5 mm角のチップ内に、波形捕捉型プラズマ波動観測器(WFC: Wave-Form Capture)のアナログ回路が予備も含めて3チャンネル組み込まれている。5 mm角になったアナログ回路に加え、従来ソフトウエアで処理していた波形圧縮などのデジタル処理をFPGA化(ハードウェア化)したデジタル部も搭載する。これにより従来とは比較にならない軽量・小型化された高性能プラズマ波動観測器が実現できる。本研究では、我々がこれまで開発してきたこれらの小型化技術にWPIAを実現するためのロジックを加えた上で、ロケット実験搭載観測装置システムとして実現できるよう設計・開発し、性能評価試験を行った上で完成させる。

小嶋浩嗣: 2016(平成28)年度生存圏ミッション研究 図
図: SS-520-3ロケット実験用に開発した5 mm角プラズマ波動観測チップ

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2016年8月4日作成

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