Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2016(平成28) 年度 生存圏科学 ミッション研究 10

研究課題

IUGONETを通したCa II K太陽彩層全面画像データベースの公開とそれによる太陽活動長期変動研究

研究組織

 代表者 上野悟(京都大学大学院理学研究科)
 共同研究者 北井礼三郎(佛教大学)
歩(京都大学大学院理学研究科)
坂上峻仁(京都大学大学院理学研究科)
河瀬哲弥(京都大学大学院理学研究科)
柴山拓也(名古屋大学大学院理学研究科)
野津翔太(京都大学大学院理学研究科)
野津湧太(京都大学大学院理学研究科)
津田敏隆(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション3 宇宙生存環境

研究概要

京都大学理学研究科附属天文台では、カルシウムK線での太陽彩層の全面観測を1928年以降40年余りに渡り継続してきた。長期にわたって太陽活動・彩層活動をこのような長い期間観測したデータセットは世界的にも少数であり、科学的にも貴重な資料であるため、我々はこれを定量的に活用するための作業を行なって来ている。

オリジナル資料である写真乾板は、既に90年近く経過してその劣化が進みつつあったため、平成25年度までの期間で、全て一通りデジタル化を行なった。その後、平成26年度には、それら全てに対する閲覧用JPEG画像を作成し、web上での公開を始めた。更に平成27年度には、これらのデータに適切な画像処理を加えることにより、定量的な解析に耐えうる品質に向上させる作業を行なった(図 1)。

上野悟: 2016(平成28)年度生存圏ミッション研究 図 1
図 1

今年度は、それら定量解析用のデータファイルを特に天文学分野では標準的に用いられているFITS形式に変換(解析に必要となる様々な情報を含むヘッダーを付加)して当天文台webサイト上で公開すると同時に、それらのメタデータ(SPASE形式)を作成してIUGONETメタデータデータベースに登録することで、全世界の太陽、地球研究者がこれにアクセスできるようにする。

さらにその画像処理後のデータファイル群から、いよいよ太陽紫外線放射量の指標となる値の導出を行なう。ここではその指標の一つとして、具体的には「プラージインデックス」と言うものを考える。京大・理・附属天文台には、本データセットの他に、1992年から現在まで中性水素Hα線において太陽彩層全面像を観測し続けているデータセットが存在する。当天文台では既にこのデータセットを用い、太陽面上の明るい領域(活動領域のプラージや静穏領域の輝点群)を抽出して、太陽円盤全体の面積に対するその総面積の比率をプラージインデックスと定義し、この指標の最近20年間の変動を調査している(図 2)。当研究課題においては、このプラージインデックスを40年間に渡るCa II K線太陽彩層全面画像に対しても導出し、その長期変動の特徴を考察する。

なお、将来的には、このインデックスを電離層に影響の強い50~140 nmの紫外線放射量変動、さらにオゾン層に影響の強い200~300 nmの放射量変動に合うよう各々微調整し、20世紀半ば40年間の、地球環境に影響を与え得る指標を通して見た太陽活動変動を 概観できるようにしたいと考えている。

上野悟: 2016(平成28)年度生存圏ミッション研究 図 2
図 2 1992年~2012年の20年間のHα線太陽全面彩層画像を用いて求めたプラージインデックスの時間変動(右図の太線。細線は黒点相対数の変動を示す。)と極短紫外線の当該期間中16年間の時間変動(左図)。

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2016年8月4日作成

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