Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2015(平成27) 年度 生存圏科学 ミッション研究 18

研究課題

地球環境改善を目指した植物のマイクロ波応答機構の解明

研究組織

 代表者 堀越智(上智大学理工学部)
 共同研究者 篠原真毅(京都大学生存圏研究所)
鈴木伸洋(上智大学理工学部)
浅野麻実子(大阪薬科大学)
長谷川泰彦(上智大学理工学部)
関連ミッション
  • ミッション 1 (環境計測・地球再生)
  • ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)
  • ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

研究概要

本研究では、植物のマイクロ波応答機構を解明することにより、食料自給率の向上、バイオマスエネルギーの計画的獲得、宇宙ステーションなどや植物工場などへの応用を目指す。

先行研究において、幼植物にマイクロ波をごく短時間照射すると、抗酸化作用が増強し、生殖成長期への移行が著しく促進することを発見した。例えば、モデル植物であるシロイヌナズナArabidopsis thalianaにマイクロ波を照射すると、マイクロ波を照射していないシロイヌナズナと比べ、茎の成長速度が著しく促進し、開花も迅速化されるという早生化現象が確認された。本研究では、化学、物理学、植物生理学、薬学、電気工学の五分野の融合技術により、本現象の詳細なメカニズムを生化学的手法により網羅的に解析する。これを基に、植物のマイクロ波応答機構を精密に制御することができれば、植物の安定供給や育種制御が可能であるため、人類生存圏のために必要な食料や再生可能エネルギーの迅速獲得へと応用できる。

これまで、熱、乾燥、エリシター処理、光などの外部刺激に対する植物の応答の解析は進められてきたが、マイクロ波に対する刺激応答を詳細に解析した研究報告はほとんどない。これは、植物がマイクロ波に暴露される自然環境がなく、環境ストレス応答と認識されていなかったためと考えられる。一方で、昨今の通信技術の発達やマイクロ波送電技術などの技術革新により、マイクロ波を精度よく照射できるようになった。この技術を駆使すれば、これまで不可能であったマイクロ波と植物との関連について解析できるとともに、マイクロ波を植物の刺激応答源としての利用することが可能である。

植物は、生物資源の中でも再生産可能かつ生産量の多い有用な資源である。本研究が達成されることで、人類の生存圏における新たな開拓・創成を目指す生存圏科学の発展に大きく寄与できると考えられる。

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2015年9月10日作成

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