Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2015(平成27) 年度 生存圏科学 ミッション研究 2

研究課題

ウィンドプロファイラー・RASS・ゾンデ気球観測によるヤマセの実態解明

研究組織

 代表者 石田祐宣(弘前大学理工学研究科)
 共同研究者 児玉安正(弘前大学理工学研究科)
橋口浩之(京都大学生存圏研究所)
古本淳一(京都大学生存圏研究所)
佐々木耕一(日本原燃(株)環境管理センター)
関連ミッション
  • ミッション 1 (環境計測・地球再生)

研究概要

ヤマセは、東北地方の太平洋側で初夏から盛夏にかけてしばしば観測される背の低い(100~数1000 mの)東寄りの風であり、霧や下層雲を伴い、一般に冷涼である。長期間続くと日照不足と低温及び高湿により稲作が阻害されるため、ヤマセは地元では「飢饉風」として恐れられてきた。主食用としてタイ米を輸入するまでに至った1993年の大冷害でも、東北地方の冷害の主要因はヤマセであった。

ヤマセは大気や海洋・陸面の影響を受けた多様な側面を持ち、その全貌を捉えるには、様々な視点から研究を進める必要がある。例えば、ヤマセをもたらすオホーツク海高気圧(工藤, 1984)やそれと上空のブロッキング現象との関係(Nakamura and Fukamachi, 2004)、ヤマセに及ぼす海洋の影響(Kodama 1997; Kodama et al. 2009)について研究されており、海上でのヤマセの振る舞いについては理解が深まりつつある。一方、陸上のヤマセについては、実用的な重要性が大きいにもかかわらず、研究例は少なく、菅野(1991)の陸上のヤマセの観測研究でも、丘陵の斜面における対流圏のごく下層の観測に留まっていた。従って、陸上でのヤマセの鉛直構造の観測が切望されていた。

我々は京都大学生存基盤科学研究ユニットのサイト型機動研究(H22–23年度)により、平成22年10月にウィンドプロファイラーを太平洋岸の青森県六ヶ所村環境科学技術研究所に設置し、連続観測を開始した。ウィンドプロファイラーでは、時間分解能1分・高度分解能100 mで鉛直流を含む風速3成分の高度プロファイルを連続観測することが可能である。平成24年3月には騒音問題の恐れがない六ヶ所村内の日本原燃(株)再処理事業部構内にウィンドプロファイラーを移設し、RASS(電波音波併用法)による風・気温プロファイルの連続観測を開始した。

毎年夏季に、ウィンドプロファイラー連続観測に加えて、ラジオゾンデ(気圧・気温・水蒸気・風向・風速)観測による3週間程度の集中観測を実施してきた。但し、航空自衛隊 三沢基地が近いことから、ラジオゾンデの放球が許可されるのは土日に限定されている。これまで、ヤマセの吹出し初期や衰退期の状況を捉えることに成功しており、本研究では、過去のヤマセが発生した日の各機器で得られた観測データを詳細に解析する。その日の天気図、客観解析データなどから、ヤマセをもたらした気象環境場についても調べる。

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2015年7月22日作成

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