Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2014(平成26) 年度 生存圏科学 ミッション研究 7

研究課題

宇宙圏における相対論的高エネルギー電子生成過程に関する超並列プラズマ粒子シミュレーション研究

研究組織

 代表者 加藤雄人 (東北大学理学研究科)
 共同研究者 三宅洋平 (神戸大学 システム情報学研究科)
小路真史 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
大村善治 (京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション 3 (宇宙環境・利用)

研究概要

実用衛星や宇宙ステーションをはじめとする宇宙利用の促進により、地球近傍の宇宙空間は人類活動に密接に結びついた領域となっている。人類活動に甚大な影響を及ぼす宇宙圏の現象として、相対論的な高エネルギーを持つ放射線帯電子のフラックス変動過程が挙げられる。光速の 99 % 以上の速度で運動し、宇宙飛行士の被爆や衛星異常の要因となることなどが知られる放射線帯電子は、宇宙圏で自然発生するプラズマ波動・コーラス放射との相互作用によって作り出されることが、申請者らによるこれまでの研究によって明らかとなった。

スーパーコンピュータを用いた大規模シミュレーションによる本研究の手法は、現実の放射線帯領域で起きるプラズマ波動と高エネルギー電子とのミクロな波動粒子相互作用を、様々な切り口から解析することが可能である。本研究では特に(1)コーラス放射発生過程の計算機実験に基づく宇宙圏プラズマ環境の研究と、(2)次世代電子流体・粒子混成コードの開発に取り組む。

あけぼの衛星や米国の Van Allen Probes を始めとした従来の科学衛星に加えて、我が国の次期内部磁気圏探査ミッション Exploration of energization and Radiation in Geospace (ERG)衛星の打上げが 2015 年度に予定されている。これらの衛星群によりもたらされる観測結果により、放射線帯電子のフラックス変動のより詳細な描像が明らかになることが期待されるが、フラックス変動を引き起こす物理過程の本質的な理解には、シミュレーション結果との比較研究が不可欠である。本研究により、実際の宇宙圏環境で発生し得るコーラス放射の波動特性の範囲や、相対論的電子の加速効率を明らかにすることで、生存圏科学の重要な課題である宇宙圏の正確な診断に繋がる成果が期待される。

また、磁気赤道領域で発生したコーラス放射は、赤道近傍では磁力線方向に伝搬するが、その後伝搬角を大きく傾けていくことが観測的にも明らかとなっている。この波動特性の変化は、放射線帯領域での伝搬過程で生じる相対論的電子との相互作用にも大きな影響を及ぼすことが考えられるが、定量的な評価には空間多次元のシミュレーションコードの開発が必要である。本研究計画では、独自に開発を進めている電子流体・粒子混成コードについて、プラズマ粒子コードの演算効率を高める手法を取り入れた空間多次元コードの開発に取り組む。

加藤雄人: 2014(平成26)年度 生存圏ミッション研究図: シミュレーションにより再現されたコーラス放射の励起と相対論的電子加速

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2014年7月25日作成

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