Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2013(平成25) 年度 生存圏科学 ミッション研究 21

研究課題

首都圏の雷雨を伴う対流性降水システムに関する統合観測研究

研究組織

 代表者 松本淳 (首都大学東京都市環境科学研究科)
 共同研究者 濱田純一 (首都大学東京都市環境科学研究科)
洋 (首都大学東京都市環境科学研究科)
橋口浩之 (京都大学生存圏研究所)
山下幸三 (サレジオ高等専門学校電気工学科)
関連ミッション
  • ミッション 1 (環境計測・地球再生)

研究概要

発達した積乱雲を原因とする集中豪雨は、洪水や土砂災害を引き起こし、甚大な被害を日本各地にもたらしている。とりわけ首都圏をはじめとする大都市域では、都市型ゲリラ豪雨の頻発が近年大きな問題となっており、その被害軽減のために、高精度での観測と予測が求められている。しかし積乱雲の水平スケールは 5–10 km と小さいため、詳細な監視観測は最新鋭のレーダー網でも容易ではなく、また、数値モデルを用いた予測も難しい。一方、近年、雷放電観測は、落雷被害の同定目的だけでなく、大気の鉛直対流の指標としての有効性を示唆することから、世界的にも急速に関心が高まっている。米国やヨーロッパの気象学分野では、極端気象予測の精度向上のために稠密な観測網の確立が進行している。

そこで、我々は首都大学東京傾斜的研究費「雷活動を用いた都市型豪雨の予測可能性」(平成 24 年度~26 年度、代表者・松本淳)により、詳細な雷放電観測とシミュレーションに基づき、数時間から数日先での落雷及び豪雨地域の短期予測を行う手法を首都圏に確立し、都市型洪水の軽減に資することを目的とした研究を開始している。研究開始初年度の昨年度には、アジア地域で高精度の落雷位置評定の観測実績がある VLF 帯電磁場計測システムを、海洋研究開発機構屋上(6 月)、首都大学東京 12 号館屋上(8 月)に設置し、データの取得を開始した。また、東京都環境科学研究所庁舎屋上への設置も 2013 年 5 月に完了し、首都圏広域雷観測網を構築した。引き続く本年度は、雷観測システムの最適化を行い、連続的なデータ取得を進める。その上で、雷観測結果と降水雲システムに関する複合的な気象観測結果を合わせ、雷雨と降水との関連について解析事例を重ねて行く予定である。

本生存圏ミッション研究においては、関東平野に展開されているマルチパラメーター X-band ドップラー気象レーダー観測や、生存圏研究所及び情報通信研究機構により開発がすすめられてきたウィンドプロファイラー観測などにより、多様な降水システムにおける対流セルの構造把握を進め、雷観測システムにより得られる落雷エネルギー及び頻度について詳しい比較を行い、並行して、領域気象モデルを用いた豪雨事例の数値実験も行うことで、雷活動を積雲対流中の鉛直流の指標として用いるための観測・解析手法の検討・開発を進めることを主たる目的とする。

松本淳: 2013(平成25)年度 生存圏ミッション研究首都大学東京(東京都八王子市)に設置したVLF帯電磁場計測システム(ダイポールアンテナ(右)、及びループアンテナ(左))

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2013年7月26日作成

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