Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2013(平成25) 年度 生存圏科学 ミッション研究 6

研究課題

木質空間の意匠の質の違いがヒトの心身に与える作用の解明

研究組織

 代表者 木村彰孝 (長崎大学教育学部)
 共同研究者 仲村匡司 (京都大学農学研究科)
梅村研二 (京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

研究概要

公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律が 2010 年 10 月 1 日に施行され、公共建築物への木材使用を促進することで国産材の利用拡大と教育環境の質の向上を図ることで、一般建築物への利用拡大を進めるという方向にある。内装への木材使用を進めるに際し、単に木材を沢山使うことを優先する量的発想に陥ってしまった場合、視覚刺激量の過多により本来は感性的に好まれている材料である木材を使用した場合でも、ヒトに対して心理的な不快感や生体へ悪影響を与えることが懸念される。このような状態を防ぐためには、木質空間の意匠の質を考慮した内装への木材の導入が必要であり、これを実現するためには、木質空間の意匠の質について実大内装を用いることでより客観的に調べることが必要不可欠である。

申請者らは、木質内装由来の刺激のうち「見た目」について、ヒトの生理・心理・見えを測定することで客観的な数値による科学的な解明を試みてきた。これらは生物材料である木材を用いた空間によるヒトの視覚刺激を定量的に評価するものであり、ヒトの評価に基づく木質内装材の新たな価値創造に繋がる研究と考えている。

一連の研究のうち、板目材とその直交方向に溝加工を施した板材を用いて作成したパネルにより構成した壁面内装が心身に与える影響の検討において、板目材とその直交方向に溝加工を施した板材では、生体を鎮静状態とする壁面への板材の使用量やデザイン、同一使用量における施工方向(縦貼り・横貼り)や配置(目線の高さ・目線より下(腰壁))により異なることが示唆された。このような結果となった要因として、ヒトに対する視覚刺激の量と質の違いが考えられるものの、木質空間における視覚刺激の物理量を定量化し、それとヒトの反応との対応については検討されていない現状にある。加えて、木材による実用的な内装デザインを考えた場合、前述で用いたような面材のみのデザインは考えにくく、面材と軸材を併用した内装デザインを実大空間により検討することが木質空間の意匠の質を明らかにする上で必要と考える。

そこで本研究では、(1)木質空間における視覚刺激の物理量を画像解析により定量化し、それとヒトの反応との対応について検証する。加えて、(2)軸材と面材を併用した実大空間が心身に与える作用を心理・生理指標、特に本研究ではこれまで用いてきた自律神経系に加え、中枢神経系の反応により評価する。これにより、木質空間の意匠の質の客観的な評価を行うことで、居住者に適した木質内装デザインを科学的根拠に基づいて提案することを目指す。

木村彰孝: 2013(平成25)

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2013年7月10日作成

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