Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2012(平成24) 年度 生存圏科学 ミッション研究 16

研究課題

白色腐朽菌を用いた医療用糖タンパク質の生産

研究組織

 代表者 本田与一 (京都大学農学研究科)
 共同研究者 渡辺隆司 (京都大学生存圏研究所)
吉岡康一 (京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション 2 (太陽エネルギー変換・利用)

研究概要

糖鎖は、様々な生体分子の認識や生理活性、安定性、免疫性に関与する重要な働きをしている。ヒトの医療用糖タンパク質を生産する際に、動物の培養細胞では、コストが高く、培養が煩雑で大量生産に向いていない。さらに、レトロウィルスによる感染の問題が知られている。一方、酵母や麹菌などの宿主系では、糖鎖がハイパーグリコシレーションを受けているため、活性が消失したり、拒絶反応が起きることが知られている。白色腐朽菌は担子菌類に属し、N-結合型糖鎖が、動物の糖鎖修飾系の基盤となる Man5GlcNAc2 型(高マンノース型)で止まっていて、他の真核宿主のゴルジ体のようにそれに続く不都合な糖鎖の修飾系を持たない。このため、ヒト医療用糖タンパク質生産の為の新規な宿主として有望である。

本研究は、申請者らによって開発されたヒラタケ宿主ベクター系を用いて、ヒト由来の糖タンパク質の異種発現を行い、安価で安全な医療用ヒト型糖タンパク質を生産する系を開発することを目標としている。本年度は、まずヒラタケ宿主で生産した組換えタンパク質の糖鎖を分析し、続いて Endo H と変異型 Endo M を用いた in vitro の酵素法を用いてヒト型糖鎖に糖鎖全体として転移する方法を試みる。

一般に、リグノセルロースを変換利用するバイオリファイナリーの実用化においては、運搬収集から変換プロセスにいたる全体のコストが、普及のためのネックとなっている。バイオプロセスを用いたリファイナリー系を構築する際、本研究の成果によって付加価値の高いバイプロダクトを生産することで、全体のコスト問題の解決に貢献できると考えている。また、森林圏の物質循環に学ぶことで生理活性物質を生産し、それを人間生活圏に巧みに利用することで人間生活の Quality を高める「生存圏科学の新領域」にも貢献することが期待される。

本田与一: 2012(平成24)年度 生存圏ミッション研究木粉による組換えキノコの栽培→子実体からヒト型医療用タンパク質を抽出(薬品として販売)→残渣はエタノールなどの液体エネルギーや生分解性プラスチック素材等に変換する。

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2012年7月6日作成

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