研究課題
マイクロ波再生式高温集塵効果の実験的研究
研究組織
代表者 | 篠原真毅 (京都大学生存圏研究所) |
---|---|
共同研究者 | 樫村京一郎 (京都大学生存圏研究所) 木嶋敬昌 (日本スピンドル製造株式会社) 三谷友彦 (京都大学生存圏研究所) |
関連ミッション |
|
研究概要
木質系瓦礫の燃焼により生じる有害物質捕集フィルタ開発を提案する。東日本大震災で発生した瓦礫は、適切な燃焼処理を施行することで、速やかに生存圏に還元されるべきである。しかし、これらはセメント、木材、および、プラスチック、有機物・金属などに、大量の塩分(海水由来)が含まれおり、現行法による処理では多量の有害物質を排出する。本研究では、塩分含有木質瓦礫の燃焼により生じる有害物質(ダイオキシン、SOX、NOX)を高速で処理する集塵フィルタを開発し、これにより、震災で生じた瓦礫を速やかに生存圏サイクルへと返還するプロセス構築に貢献する。
図: 震災で生じた木質系瓦礫。これを速やかに生存圏サイクルへと返還したい。そのためには、各有害物質を燃焼系より排出しないための、高性能フィルタの開発が不可欠であり、本提案はこれを行う。
具体的には、マイクロ波を有害物質を捕集するセラミックフィルタに作用させることで、以下の効果を期待する。
(1) バッチ運転される高温集塵装置内では、内部ガス温度の高低制御によりフィルタ内部でミスト化して固着する。これにマイクロ波を照射し、フィルタ内外に吸着したこれらが気化することで目詰まりを低下させる。これにより、現状の払落し操作では困難な集塵時のフィルタ運転差圧を低減することが期待できる。
(2) マイクロ波を飛散性アスベストに照射することで、排ガスフィルタでの無害化が期待できる。これは、幾何学的な変形が繊維に生じるためと考えられる。
上記 2 つの工夫によりフィルタ捕集能力を向上させ、燃焼処理により生じる有害物質排出を低減することを期待する。
本提案の原理図及び期待する効果の模式図。本提案は木質瓦礫燃焼処理により生じる有害物質を大気に排出しないことを目的とした、高性能集塵フィルタの開発を目標とする。
ページ先頭へもどる
2012年8月10日作成