Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2011(平成23) 年度 生存圏科学 ミッション研究 20

研究課題

セルロースナノファイバーの利用による新たな食品物性の創出

研究組織

 代表者 松村康生 (京都大学農学研究科)
 共同研究者 矢野浩之 (京都大学生存圏研究所)
松宮健太郎 (京都大学農学研究科)
関連ミッション
  • ミッション 4 (循環型資源・材料開発)

研究概要

現代人の食に関する嗜好は極めて多様化しており、食感などについても、常に新しいターゲットが模索されている。一方で、食品には、生活習慣病を予防し得るような生理機能が求められているが、そのような機能を持つ成分はしばしば味や香り、食感、加工性に悪影響を与える。このような状況の下、単に嗜好性を満足させるだけでなく、生理機能成分の嗜好性・加工性への悪影響をカバーできるような食品素材が広く求められている。しかもそのような素材は、合成添加物を嫌う消費者の意識、環境面の配慮から天然物であることが望ましい。

生存圏研究所においては、既に、木材および食品原材料の廃棄物からセルロースナノファイバーを製造する技術が開発されている。本研究では、このようなセルロースナノファイバーを様々な食品モデル系に加えた時に、その物理化学的特性やコロイド安定性、そして食感といった、広い意味での食品物性に表れる影響を解析することにより、セルロースナノファイバーが新たな食品物性を創出するための素材となり得るか検証することを目的とする。

セルロースそのものは、これまでも食品添加物として利用されている。しかし、これまでのセルロース素材は、粉末あるいは微粒子の形態をとっており、非常に水に分散しにくく、粒子特有のざらつき感があるなど、多くの問題を抱えていた。このようなセルロースを、極限にまで微細化したナノファイバーという形態が、水溶液中でどのように挙動し、どのように他の食品成分と相互作用することによって食品全体の性質に影響を与えるのかを調べた研究は存在せず、ナノ化技術の、これまでにないユニークな食品分野への利用の試みとして注目を集めることと確信している。

下図には、セルロースナノファイバーの電子顕微鏡写真と、対象となる食品の例を示した。

松村康生: 2011(平成23)年度 生存圏ミッション研究

ページ先頭へもどる
2011年8月3日作成

一つ前のページへもどる