Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2011(平成23) 年度 生存圏科学 ミッション研究 13

研究課題

超高速ダストと固体との衝突物理実験

研究組織

 代表者 柴田裕実 (京都大学工学研究科)
 共同研究者 宏 (京都大学生存圏研究所)
池田卓矢 (京都大学工学研究科)
大橋英雄 (東京海洋大学海洋環境学科)
佐々木晶 (国立天文台)
野上謙一 (獨協医科大学)
小林正規 (千葉工業大学惑星探査研究センター)
岩井岳夫 (東京大学工学系研究科)
平井隆之 (総合研究大学院大学物理科学研究科)
関連ミッション
  • ミッション 3 (宇宙環境・利用)

研究概要

宇宙環境にあるダスト(宇宙塵)はナノメータからミクロンサイズの微粒子で数 km/s から数 100 km/s の速度を持ち、普通は帯電していて、炭素、鉄、シリケイトなどの物質からなる。これらのダストが地球や太陽系の天体に衝突しており、月のレゴリス(表面にあるダスト)のように惑星環境を左右している。このような衝突現象は地上の静電加速器で炭素や鉄などの微粒子を加速して、毎秒数 km から 100 km の速度にした後、種々の材料(金属・セラミックス・高分子等)に衝突させることで調べることができる。

加速された微粒子の全エネルギーは数 100 GeV~数 TeV と途轍もなく大きなエネルギーになっていて、物質と衝突した際に、その全エネルギーがフェムト(10−15)秒からナノ(10−9)秒程度の極めて短い時間で放出される。直径 1 ミクロン位の微粒子が 10 km/s 位の速度で固体に衝突すると固体内に衝撃波が生じ、圧力は 100 万気圧以上に局所温度は数千から数万度に達し、衝突したところはプラズマ状態になっていると考えられる。このような条件下ではクレータの形成とか、溶融や相転移を起こすことが知られているが、これは隕石が地球や月に衝突してクレータができる現象と同じ様相に見えるが、ミクロな系での衝突過程の詳細についてはまだ十分には理解されていない。本研究では衝突モデルを構築できるくらいのデータを蓄積することを目標とする。実験装置が世界に数台しか無いのでダスト衝突物理実験は極めて少なく、先ずは衝突による電荷測定で相互作用を調べることにする。

本研究は衝突による極端条件下での物質生成や宇宙環境の進化に関わるだけでなく、ダストやスペースデブリの観測装置の開発にも貢献するので宇宙環境の観測とも関連した成果を期待できる。

柴田裕実: 2011(平成23)年度 生存圏ミッション研究図 1: ダスト加速器の概要。ビームラインの測定系にてダストの電荷、速度、質量を計測する。

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2011年8月17日作成

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