Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2010(平成22) 年度 生存圏科学 ミッション研究 11

研究課題

多波長ライダー計測による対流圏エアロゾル・雲の物理特性の研究

研究組織

 代表者 塩原匡貴 (国立極地研究所)
 共同研究者 津田敏隆 (京都大学生存圏研究所)
中村卓司 (国立極地研究所)
矢吹正教 (京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション 1 (環境計測・地球再生)

研究概要

人間活動に伴う燃焼や、土埃、波飛沫などにより大気中に放出された微小粒子を大気エアロゾルと呼ぶ。この大気エアロゾルが、太陽放射を散乱・吸収する効果(直接効果)と、エアロゾル粒子が凝結核として働き、生成される雲の放射特性を変化させる効果(雲アルベド効果)は、気候変動因子の一つとされている。近年、数値モデルによるシミュレーション研究の著しい発展、および長期間の観測データの蓄積により、エアロゾルと雲の研究は大きく進歩したが、人為起源エアロゾルの直接・間接効果における放射強制力の見積もりは、未だ大きな誤差を含んでおり課題も多い。これは、エアロゾル粒子の粒径分布、形状、散乱吸収特性が、発生源により大きく異なるために定量的な計測が難しく、また、各エアロゾル粒子が雲粒形成に及ぼす影響の評価にも不確定な要素を多く含んでいるためである。

本研究では、信楽 MU 観測所において、レイリー・ラマンライダーによる気温・水蒸気計測に合わせて、多波長・偏光ライダーによる計測を行い、対流圏エアロゾル・雲の物理特性導出を目指す。混合層内には、燃焼活動に起因する光吸収効果が非常に大きい黒色純炭素(Black carbon)や、森林から放出された揮発性有機化合物(VOC)の光化学反応により形成され、雲生成に多大な影響を与える有機エアロゾルなど、気候変動評価において重要となるエアロゾル種が多く存在する。また、上空には、大陸からの長距離輸送物質や、大規模火山に起因する成層圏エアロゾル、エアロゾル粒子を核として生成される雲などが存在し、地表から成層圏下部におけるエアロゾル・雲の高精度連続計測を行う意義は大きい。また、山間に囲まれた信楽 MU 観測所では、霧が頻繁に発生する。エアロゾルから霧生成への成長過程をライダーにより計測することで、気候影響評価の不確定要素の一つとなっているエアロゾル‐雲の相互作用に関する新たな知見を得られると期待される。

塩原匡貴: 2010(平成22)年度 生存圏ミッション研究

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2010年8月3日作成

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