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2010(平成22) 年度 生存圏科学 ミッション研究 1

更新日: 2017/09/20

研究課題

化学状態から見た蛍光X線分析法による植物における環境の影響評価

研究組織

 代表者 伊藤嘉昭 (京都大学化学研究所)
 共同研究者 矢﨑一史 (京都大学生存圏研究所)
整 (物質材料研究機構(物理化学))
関連ミッション
  • ミッション 1 (環境計測・地球再生)

研究概要

生存圏を取り巻く大気の主要成分は窒素であり、窒素は生物の体を作り、生態系を循環してまた大気に戻る「循環」を繰り返している。その循環の主な駆動力になっているのは、マメ科植物に代表される共生窒素固定である。マメ科植物が土壌中の根粒菌と共に形成する根粒はこの窒素固定のために特化した装置であり、大気中の窒素が栄養としての固定を通じ、生態系の多くの生命を支えている。しかしそこに関わる無機元素の役割や、土壌中の無機汚染物質の動態はほとんど分かっていない。本研究課題は、微量分析が得意な X 線元素分析及び X 線状態分析の手法を、植物あるいは土壌中物質の挙動を調べる実用分析技術を確立することを目的とする。本研究の特色は、蛍光 X 線分析法の中でも主として元素分析用の波長分散型 1 結晶分光装置(従来型)と化学結合状態を知ることができる高分解能 2 結晶分光装置(国内で唯一化学研究所に於いて本格稼働)を用いる点にある。本課題ではこの 2 結晶分光装置を用いた状態分析法により、マメ科植物の根粒における窒素固定能に関わる Fe を中心とした無機元素の精密な X 線スペクトルの測定を行って、その化学状態をなるべく in vivo に近い状態で解析することを試みる。さらに環境汚染物質に関しても非破壊的に植物体内の物質の分布と化学形態をイメージングできる技術の開発につなげたい。

伊藤嘉昭: 2010(平成22)年度 生存圏ミッション研究 (図 1) 伊藤嘉昭: 2010(平成22)年度 生存圏ミッション研究 (図 2) 伊藤嘉昭: 2010(平成22)年度 生存圏ミッション研究 (図 3)

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2010年8月4日作成

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