Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2020(令和2) 年度 生存圏科学 萌芽研究 5

研究課題

国内産カラスビシャク系統の塊茎中の低分子生理活性化合物の比較解析

研究組織

 代表者 松岡健(九州大学大学院農学研究院)
 共同研究者 矢崎一史(京都大学生存圏研究所)
中西浩平(京都大学生存圏研究所)
江口壽彦(九州大学生物環境利用推進センター)
関連ミッション
  • ミッション5 高品位生存圏

研究概要

カラスビシャクはその塊茎(芋)が半夏と呼ばれる生薬(漢方薬原料)として知られ、ムカゴによる栄養繁殖と種子繁殖により増殖する野生植物である。半夏は漢方処方のほぼ1/4に含まれる使用量の多い生薬であるが、100 %中国からの輸入に頼っており、価格上昇が激しいため国内生産が期待されている。そのため、耕作放棄地での栽培系の開発が複数の地方公共団体において近年開始されている。

九州大学においては学内有志によるプロジェクトとして、国内各所からのカラスビシャクの収集を皮切りに、国内産カラスビシャクの栽培品種化と国内生産系の構築を図る研究を2013年秋から進めている。これまでに、北は北海道帯広市から南は沖縄県与那国島に亘る全国各地から多数の系統を獲得し、それらを維持栽培するとともに(写真参照)、それらの栽培形質の把握を、定温定湿自然光栽培条件において進めている。またこれらの系統由来の個体から成長の早いものを選抜し、品種登録を進めている。さらに、半夏中の吐気防止能を持つ成分多糖に対するモノクローナル抗体を作成し、収集系統から調製した半夏中のこの多糖成分の含量の定量と、中国産半夏との比較も進めている。

しかし半夏に含まれる低分子の呈味成分・薬用成分等の定量系を九州大学の研究グループは持たないため、国内産カラスビシャク由来の半夏が、中国産半夏と同程度にこれらの物質を含有しているか、評価を行うことができていない。そこで本研究では昨年度に引き続き、薬用植物の低分子有機化合物の成分分析に造詣が深く、これら低分子物質の定量技術を有する森林圏遺伝子統御分野との共同研究を実施することにより、九州大学で維持中の複数系統におけるこれら成分の含有量に関する評価を、中国産の半夏と比較しながら進めてゆく。

松岡健: 2020(令和2)年度生存圏科学萌芽研究 図

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2020年8月3日作成

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