Research Institute for Sustainable Humanosphere

2017(平成29)年度 生存圏科学 萌芽研究 7

研究課題

水分存在下での加熱による広葉樹引張あて材の不可逆的変形機構の解明

研究組織

 代表者 松尾美幸(名古屋大学大学院生命農学研究科)
 共同研究者 阿部賢太郎(京都大学生存圏研究所)
関連ミッション
  • ミッション4 循環材料・環境共生システム

研究概要

広葉樹は、傾いた幹や枝を力学的に支持するために「引張あて材」とよばれる特異な樹木組織を形成する。引張あて材部は、天然乾燥・人工乾燥のいずれにおいても著しく変形し、木材の割れや反りなどを引き起こす。一般的に広葉樹材の人工乾燥は特に難しいとされ、その一因は散在する引張あて材にあると考えられる。したがって、広葉樹材の有効利用を進めるためには、引張あて材の乾燥過程における変形機構を解明し、変形の制御につなげることが重要である。

これまで、人工乾燥の過程で起こる木材の割れや反りは、木材から水分が抜けることによる異方的収縮によって起こると考えられてきた。一方で近年、引張あて材を80 °C~100 °Cの熱水中で加熱すると、著しく不可逆的に変形することが明らかになった(Sujan et al., Wood Sci Tech, 2016)。木材の人工乾燥では材中に水分が含まれた状態で加熱を始めることから、人工乾燥による変形の一部には、水分存在下での加熱による変形が含まれている可能性がある。そこで本研究では、引張あて材の熱・水分存在下での不可逆的変形機構を解明し、人工乾燥過程で起こる変形への寄与を明らかにすることを目標とする。

松尾美幸: 2017(平成29)年度生存圏科学萌芽研究 図
図. 左:引張あて材を含む傾斜樹木の採取、右:熱水処理により変形した引張あて材試験体

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2017年7月31日作成

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