Research Institute for Sustainable Humanosphere

2017(平成29)年度 生存圏科学 萌芽研究 1

研究課題

樹木を介した土壌圏から大気圏へのメタン放出

研究組織

 代表者 伊藤雅之(京都大学東南アジア地域研究研究所)
 共同研究者 坂部綾香(大阪府立大学生命環境科学)
高橋けんし(京都大学生存圏研究所)
若菜(京都大学農学研究科)
関連ミッション
  • ミッション1 環境診断・循環機能制御

研究概要

メタンは、二酸化炭素に次ぐ放射強制力を持つ、重要な温室効果気体である。しかしながら、陸域生態系におけるメタンの発生源の特定、ならびに、発生量の見積もりには未だ大きな不確定要素があり、大気濃度の変動要因を定量的に解析するときの障害となっている。

近年、主要なメタンの放出源である湿地に生育する樹木を介したメタン放出について注目が集まっているが(Terazawa et al., 2007; Pangala et al., 2015)、その詳細なメカニズムについては、明らかになっていない。そこで本研究では、樹木を介したメタン放出の定量化とその環境応答性の評価に、幹メタンフラックス連続観測システムを適用する。滋賀県南部に位置する温帯林の渓畔湿地に生育するハンノキ(Alnus japonica)を対象に、図 1で示すように、幹のみを囲むチャンバーを設置し、幹からのメタン放出速度を半導体レーザー分光法により連続観測する。幹からのメタン放出の経時変化について、地下水中溶存メタン濃度や近傍の土壌のメタン放出速度と比較することで、樹木からのメタン放出のメカニズムの解明を目指す。

さらに、根および幹の顕微鏡による組織観察を行うことにより、メタンが輸送されるメカニズムの解明を目指す。フラックス測定と根および幹の解剖学的観察という異分野の技術を融合することで、土壌圏―大気圏の一連の物質循環の過程を明らかにしたいと考えている。

伊藤雅之: 2017(平成29)年度生存圏科学萌芽研究 図 1
図 1. 幹・土壌フラックス連続観測チャンバー

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2017年7月26日作成

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