Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2014(平成26) 年度 生存圏科学 萌芽研究 13

研究課題

固体NMR法によるセシウムイオンの固定化・溶出機構の解明

研究組織

 代表者 徳田陽明 (京都大学化学研究所)
 共同研究者 上田義勝 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

2011 年に起きた福島第一原発のメルトダウンにより大量の放射性物質が生存圏(特に生活圏,森林圏,水圏)に放出された。放射性物質のうち,放射性セシウムは飛散しやすく,半減期が比較的長いことから,人体への被曝の軽減のために最も対策の必要な核種であることが知られている。地表に降下した放射性セシウムは,土壌中の粘土鉱物に吸着することが知られている。また,時間の経過と共に固定化が進行し,除去しづらくなるとされている。今後,我が国や近隣諸国で同様の事故が発生した場合に早期の対応を取るためには,セシウムの生存圏への取り込み(吸着と固定化)についての知見を集積していく必要がある。

また,実際のところ,被災地では除染方法として,表土の剥ぎ取りが行われている。剥ぎ取った表土は,長期間安全に保管する必要がある。特に水との接触による溶出が懸念されているため,セシウム溶出挙動に関する評価が報告されつつあるが十分な解明には至っていない。

固体 NMR は,元素毎の化学情報とダイナミクスに関する情報を得ることのできる手法である。特にセシウムは四極子核であるため,通常の NMR と強磁場 NMR を併用することによって,種々の化学情報を得ることが可能である(等方性化学シフト,四極子シフト,縦緩和速度)。本研究では,環境中でのセシウムイオンの吸着と固定化,溶出機構に関する知見を得ることを第一の目的とする。

また,生存圏に影響を与える物質は,セシウムのみならず,鉛等の重金属も挙げられる。我が国における公害は現在大きな問題となっていないが,近隣諸国の高度成長にともなって排出された物質による生存圏の汚染等の可能性もあり,土壌への吸着や作物への移行についての理解を進めていくことを第二の目的とする。

以上を踏まえ,本研究での課題を以下のように設定する。

課題 1 「セシウム吸着,固定化機構の解明」

課題 2 「セシウム溶出機構の解明」

課題 3 「重金属イオンの固定化・吸着機構の解明」

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2014年7月29日作成

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