Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2014(平成26) 年度 生存圏科学 萌芽研究 8

研究課題

タバコ形質転換毛状根を用いた細胞内代謝産物の空間的動態の把握と物質生産への基盤構築

研究組織

 代表者 士反伸和 (神戸薬科大学)
 共同研究者 矢崎一史 (京都大学生存圏研究所)
杉山暁史 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

植物はアルカロイドなど多くの二次代謝産物を生産する。これらは多様な化学構造と生理活性を有しており、その多くが医薬品などに用いられている。そのため植物は、医薬品原料の供給原として重要な再生可能資源である。しかし、植物が生産するこれら有用産物の中には、植物中の含量が少ないなど供給に不向きなものも多く、安定供給系の開発が求められている。近年の生合成酵素などの研究から、生産過程において生合成中間体が細胞内のオルガネラ間をダイナミックに移動しながら数段階の酵素反応を経て、最終産物が作られていることが明らかとなってきた。この知見は、代謝産物の空間的動態が有用物質の効率的生産に重要であることを示唆している。しかし、生合成酵素に比べて、生合成中間体や最終産物の細胞内動態に関する知見は少なく、細胞内輸送機構の解明は喫緊の課題となっている。

我々は、アルカロイド輸送機構解明のモデルとしてタバコ植物のニコチン蓄積の研究を進めてきた。その過程で、アルカロイド生合成酵素と共発現することで見出したトランスポーターが、細胞内で色素体に局在し、ニコチン生産時の細胞内での中間代謝物の動態制御とニコチン生産に関わる可能性を示してきた。しかし、このトランスポーターの具体的な生理的役割や、関連したニコチン生合成中間体の細胞内での動態変化などは明らかとなっていない。そこで本研究では、通常時からアルカロイドを生産し、また生育を揃えた上での代謝物プロファイルの変化の解析に適したタバコ毛状根を材料に、このトランスポーターを過剰発現、また発現抑制した形質転換毛状根の解析を行う。これら毛状根の生長、アルカロイド生産量、また細胞内の代謝産物の変動をコントロールの毛状根と定量比較し、本トランスポーターの基質や生理的役割を解明する。さらに、輸送体を用いて細胞内代謝物の動態をより効率的に制御することで、有用物質のさらなる高生産へと繋げることを目指す。

士反伸和: 2014(平成26)年度 生存圏科学萌芽研究 図図 タバコ形質転換毛状根を用いた、細胞内代謝産物の空間的動態の解析

ページ先頭へもどる
2014年7月29日作成

一つ前のページへもどる