Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2013(平成25) 年度 生存圏科学 萌芽研究 10

研究課題

低廉大気光カメラの開発 ~超高層大気波動のイメージングネットワークの飛躍的拡充をめざして~

研究組織

 代表者 鈴木臣 (名古屋大学太陽地球環境研究所)
 共同研究者 衛 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

大気重力波は下層大気の気象擾乱によって発生し、超高層大気の下端である中間圏・下部熱圏(MLT: 80–120 km)へ運動量やエネルギーを運ぶ。MLTは中性大気と電離大気の境界、超高層大気への中継点であり、この領域のダイナミクスに大きく寄与する大気重力波の振る舞いを知ることは、大気の上下結合を考える上で重要な意味を持つ。

最近の観測研究からは、より広範囲に渡る下層?超高層大気結合の同時観測の重要性が示されており、極端気象や地殻変動に対する超高層大気の応答といった最新の研究の進展には大気光ネットワーク観測の拡充が極めて有効である。

本研究では、将来広い緯度帯を同時に観測することができる多地点観測体制を構築することを目標に、低価格の大気光観測システムを開発する。大気光に比べて数百倍明るいオーロラ観測では、すでに民生品の安価なカメラによる高時間分解能観測が行われ始めている。通常、大気光カメラ一式の価格はおよそ 10000 万円であるが、本研究ではオーロラ観測システムを大気光観測に応用し、一式の価格を 30 万円程度に抑えた大気光観測用の低廉カメラシステム開発を目指す。これにより、これまでより極めて低価格なネットワーク観測体制の構築が可能となり、大気重力波の水平伝搬特性や大気上下結合研究が飛躍的に進む可能性がある。さらに、消費電力を抑え太陽発電パネルのみでの運用を可能にすることで、将来的に電源の確保に捉われずより観測条件が良いところ(天候が良い場所、光害が無い場所)に設置することができる。

本研究で行なう基礎実験、特に熱雑音などの性能評価は、他の大気発光現象の地上・飛翔体観測装置の開発にも貢献することが期待される。

ページ先頭へもどる
2013年7月30日作成

一つ前のページへもどる