Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2013(平成25) 年度 生存圏科学 萌芽研究 9

研究課題

複合セルロースナノファイバーネットワークを基材とした創エネルギー材料の開発

研究組織

 代表者 榊原圭太 (京都大学化学研究所)
 共同研究者 阿部賢太郎 (京都大学生存圏研究所)
辻井敬亘 (京都大学化学研究所)

研究概要

近年、太陽電池や燃料電池などの創エネルギー材料やリチウムイオン電池などの蓄エネルギー材料の高性能化が活発に研究されている。とりわけ太陽電池は昨今のエネルギー問題や環境問題を解決し得る重要なデバイスの一つと言える。大幅なコストダウンの可能性を秘めた次世代型太陽電池の候補として、有機半導体を用いて作製される有機薄膜太陽電池がある。現在主流のバルクへテロ型太陽電池は p 型および n 型有機半導体をそれぞれ混合して薄膜化して作製されており、軽量・フレキシビリティー・デザインの自由度が大きいことから、太陽電池の新たな応用分野につながると期待されている。その障害となるのは、無機太陽電池と比較して光電変換効率(η)が低い点であるが、近年、有機半導体の分子設計を最適化することで理想的なバルクヘテロ相分離構造が作製され、η=10 % 以上が達成されている。しかし、その光活性層はわずか 100 nm と薄いため、十分に太陽光を吸収できておらず、また、耐久性の低さは大きな課題である。

一方、セルロースナノ構造体と呼ばれるセルロースナノファイバー(CNF)やセルロースナノ結晶(CNC)は優れた物性(軽量・高弾性率・低熱膨張係数・透明性)を有しており、環境負荷の少ないナノマテリアルとして、近年注目を集めている。その優れた特徴を活かした透明フレキシブルな光学デバイスへの応用が、既に報告されている。我々はこれまで、CNC や CNF の表面に構造の明確な合成高分子を高密度に付与した、いわゆる濃厚ポリマーブラシ付与 CNF/CNC の合成に成功した。得られた複合ネットワーク構造は、オリジナルのナノ構造体の物性は維持されており、ポリマーブラシ特有の機能である自己組織性や高潤滑性といった優れた特性を併せ持った新しい材料となり得た。

このような背景の下、本研究では、有機薄膜太陽電池の光活性層に複合 CNF ネットワーク構造を導入することで、耐久性の向上と光活性層の厚膜化を図る。さらに、付与するポリマーブラシの設計を仔細に検討することで、有機半導体の最適相分離構造を誘導し、η の向上を目指す。

榊原圭太: 20123(平成25)年度 生存圏科学萌芽研究

ページ先頭へもどる
2013年7月30日作成

一つ前のページへもどる