Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2012(平成24) 年度 生存圏科学 萌芽研究 3

研究課題

イミダゾリウム基を側鎖に含む新規セルロースゲル電解質の作製と電池材料としての特性評価

研究組織

 代表者 石井大輔 (龍谷大学理工学部)
 共同研究者 飯島康司 (龍谷大学理工学研究科)
久夫 (龍谷大学理工学部)
安藤大将 (京都大学農学研究科)
矢野浩之 (京都大学生存圏研究所)

研究概要

本研究では、耐熱性に優れるバイオマス由来高分子であるセルロースをベースとする二次電池用ゲル電解質の開発を目標として、熱安定性に優れる新規セルロース溶剤として注目されているイミダゾリウム型イオン液体のカチオン骨格であるイミダゾリウム基をセルロース側鎖官能基として有する新規セルロースゲルを作製し、原料として用いるセルロースの分子特性(分子量および分子サイズ)が電解質ゲルの二次電池材料としての各種特性(耐熱性、力学特性、イオン伝導度)に及ぼす影響を検討する。

現在、枯渇が懸念される石油等の化石資源に代わり、太陽エネルギーやバイオマスエネルギーなどの再生可能エネルギーの普及が図られている。これら再生可能エネルギー資源は、化石資源のようにそれらが高密度に偏在している生産地(油田、炭田等)から取得可能ではなく、広範囲に低密度で分布する分散型資源であるため、動力や電気エネルギーに変換して用いる場合、高効率かつ安定的に利用するためには得られたエネルギーを蓄積するための二次電池の活用が不可欠である。

現状の二次電池における解決すべき課題として(1)小型化・軽量化(2)大容量・高出力化(高イオン伝導性)(3)耐久性向上(高強度化・高耐熱化)があり、これらを満たすために電極・セパレータ・電解質等の電池用部材の改良が続けられている。(1)、(2)を満たす電池として高分子ゲルに有機電解質を含浸させた高分子ゲル電解質が有望視されているが、充放電に伴う発熱によるセパレータや電解質の破損・熱劣化が課題となっており、このために電解質およびセパレータの耐熱性向上が喫緊の課題となっている。そこで本研究では、耐熱性に優れ化学架橋によるゲル化が容易な天然高分子であるセルロースに、高耐熱性かつセルロースに対して優れた溶解性を示す電解質であるイミダゾリウム型イオン液体のカチオン骨格であるイミダゾリウム基を導入した新規セルロースゲル電解質を作製し、電池材料としての特性評価を行う。

セルロースは植物や一部の微生物・動物がその組織成分として産生する巨大分子であり、生存圏において最も広範囲に分布しかつ莫大な蓄積量を誇るバイオマスである。加えてセルロースはモノマーあたり 3 個の水酸基を有する多官能性分子でもあり、水酸基を反応点として適切な官能基を導入することでその溶解性や熱物性を幅広く制御することができる。さらにセルロースの由来(植物・動物・微生物)によって異なる結晶構造や分子量をもつことから、膨潤性やゲル強度などのゲル物性の制御が可能である。こうした機能性高分子としてのセルロースの特性と、イオン液体の持つ熱安定性・セルロース溶解性・イオンとしての特性を組み合わせることで、太陽エネルギー蓄積デバイスとしての電池材料に要求される耐熱性・高イオン伝導性・小型軽量化がいずれも達成できると期待される。以上の点において本課題は生存圏研究所のミッションである「循環型資源・材料開発」「太陽エネルギー変換・利用」に貢献するものである。

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2012年8月10日作成

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