Research Institute for Sustainable Humanosphere

共同研究

2011(平成23) 年度 生存圏科学 萌芽研究 1

研究課題

高性能ナノフィルターの利用を見据えた低密度・高強度ナノファイバーシートの開発

研究組織

 代表者 阿部賢太郎 (京都大学生存圏研究所)
 共同研究者 伊福伸介 (鳥取大学工学研究科)

研究概要

本研究では、植物由来セルロースナノファイバーの優れた性質を活かした “高強度・高性能ナノフィルター” を作製することにより、植物資源の新たな用途展開を図り、また今後必須となるナノレベルでの精製・分離技術における新規材料の開発を目指す。

現在盛んに行われている電子デバイス・半導体やその他のナノ材料の製造において、また医療分野において使用されるクリーンルームにおいても安全な材料で高い清浄度を示すフィルターが求められている。

そのような需要に対して、セルロースナノファイバーからフィルターを作製する利点は多く、1. 大きな比表面積により多くの物質を吸着が可能、2. ナノ粒子の捕捉や分離・濾過の精度が向上、3. 空気抵抗が少ないため(スリップフロー効果)、孔径の小さいフィルターにおいても高流量を保つことが可能、4. セルロース本来の性質として耐熱性、難溶解および耐薬品性に優れる、5. 細菌・ウィルスの除去後にフィルターごと完全に焼却し無害化が可能である。

以上多くの利点からセルロースナノファイバーの利用は新たな高性能フィルターの作製を期待させるが、同時に問題点もある。セルロースナノファイバー自身は非常に高い力学的性質を示すが、低密度(= 高空隙率)シートを作製した場合、結合点の減少から力学的性質は急激に低下し、かつ水中での使用の際に水素結合が弱まるため強度はさらに低下する。そのため高流速による圧力に耐えることができない。

この問題を克服すべく、本研究では種々の処理によりナノファイバー間を癒合・架橋させ、フィルターの高強度化を図る。そのためアルカリ処理による繊維間の癒合や気相反応での架橋などを試みることにより、低密度でありながら高強度および高流量を実現する高性能ナノファイルターを開発する。

阿部賢太郎: 2011(平成23)年度 生存圏科学萌芽研究

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2011年8月3日作成

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